野鳥への餌やり

ようやく春本番のこのごろだ。鶯が目覚ましがわりになっている。朝の最初の仕事は、雨戸をあけ、ベランダの鳥用の水を新しくする。そして餌台に一つかみのひまわりの種をおく。おまけはお肉屋さんにある牛脂のかたまりだ。

雨戸をあけたときから、小鳥たちが飛び交う。一通りのことが終わって、ベランダから室内にはいり、ガラス戸を閉めると、早速、鳥がいれかわりに現れる。

いつものお客、五十雀、四十雀、山雀、十二雀に加え、ちょっと大型の鳥まで現れた。とくにヒヨドリがよくくる。
一時期はグレープフルーツを用意して、ヒヨドリ様扱いだったが、このごろは困りものとして追い払う。ヒヨドリがくると、雀類が近寄れない。

それにヒヨドリは、我が家の庭で、ようやく花が少しついたヒメコブシや、レンギョウの花を食べるのだ。中の蜜をたべているのかもしれないが、花が落ちてしまう。このままいくと、ブルーベリーの花をついばみ、実がならなくなってしまう。だからあまりヒヨドリに来てほしくない。

こんなことを野鳥観察を趣味としている人に話した。彼いわく、「まだ餌をやっているのは、過保護ですよ」「餌をおかなきゃ、ヒヨドリもきませんよ」

そうかもしれない。春になり、自然の中に鳥たちの餌も十分あるはずだ。我が家の餌は、それは簡単に得られるものかもしれないが、なければ、自分でえさをさがすだろう。

でもでも、朝の物欲しげな鳥たちのかわいいしぐさを見ると、餌を与えたくなるのだ。手から食べることすらある。

これは結局、私の利己的な心理なのだろう。鳥類を可愛がっているような、愛護者の気分を味わって、本当は逆の行為をしている。なにか、対人間についてもやっていることのような気がしてきた。

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