減灯しませんか

12月になると、どこの町でイリュミネーションが始まったと、テレビで報道される。神戸や仙台、そして東京の表参道などが、豪華なイリュミネーションの代表格だ。

田舎の山の中に住んでいると、この間の満月周辺の月明かりがせいぜいで、人工的なイリュミネーションとは縁遠い生活をしている。しかし、東京に住んでいた時、毎年、有名なイリュミネーションを見ることは欠かさなかったので、明かりのない生活がさびしく思われる季節でもある。

しかし、きっと今年のイリュミネーションは自粛になるだろうと思っていた。たとえ電気消費量の少ないLEDに変えたとしても、やはり煌煌と輝くイリュミネーションは、電気の消費がそんなに少ないわけではあるまい。
この夏の計画停電にはとても不便を感じた。もし、これが冬におこるとなれば、夏の不便なんてものではすまない。3月の停電は、もう冬も終わりに近かったから、灯油のストーブ1つで耐えられたけれど、真冬になりつつある現在、マイナスの気温をそれでしのぐには、我々は年をとりすぎている。

発電状態が改善されたわけでもないだろうから、きっと、イリュミネーションはされないだろうと思っていた。あにはからんや、である。各所で実施されている。「元気を取り戻す」とか、「復興のシンボル」とか、いろいろ口実はつけているが、はたしてそうなのだろうか。

先日、フランスのニュースで、パリなど各都市の電飾について触れていた。費用の数字はメモしそこなったが、たとえば、有名なシャンゼリゼのイリュミネーションの費用が、その実施期間の売上と比べ、費用のほうが高くつくといった内容だった。一度、見直す時期ではないかという問いかけもあった。

今日のニュースでは、福島原発の事故に鑑み、あるいはエネルギーコストの高騰を考えて、来年7月1日より、都市の夜間のネオンサインを禁止するという決定がでたという。正確には午前1時から6時までの間であるが。
この措置で、約26万世帯の消費量に相当する電気が、節約できるのだそうだ。

フランスは、報道されるとおり、原子力発電が総発電量の75%から80%を占めている。現在のところ、電気を隣接する国々に売ることはあっても、買うことはない。十分足りているのだ。
それでもこういう措置をするのに、日本のこのノーテンキぶり、どうにかならないのだろうか。

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