高年齢者雇用安定法

年金の支給開始年齢を引き上げるのにあわせ、定年あるいは、定年後にも働きたい人たちへの職場確保のため、企業に義務づけるための方針が決まったようだ。
現行の法律は、労使協定で基準を決めれば、対象者を限定でき、健康状態が悪かったり、働く意欲がみられなかったり、評価の低い人は、企業が避けることができたという。

こういう制度をみていると、いつもフランスの1982年を思い出す。社会党のミッテランが大統領に選ばれ、かれらの選挙綱領を実現させていった。それまで65歳定年制度だったのを、若者への雇用促進をはかるというので、60歳定年(年金受給可能)にしたのだ。
それによって、当座は若者の就職が少しは促進されたけれど、景気がよくなったわけではないので、いつしか、年金給付が増えていくだけになったようだ。

あれから30年を経て、現在、定年は延長され、また65歳に戻っているようだ。結局、年金を受給するための納付期間を42年と延長して、年金財政の健全化をはかっている。

日本では、公務員の共済年金、一般会社員の厚生年金、そして自由業や自営業者、農業、商業などの国民年金と3つの制度があるのが、とても特殊な国であるように言われている。
しかし、フランスも同様に、民間企業給与所得者用、公務員用、非給与所得者用と3つの制度があり、その中で、やっぱり公務員用が厚遇されている。特に、国営企業(現在もそうであるかどうか、ちょっとわからないが)のSNCF(フランス国鉄)や、EDF(フランス電力)、GDF(ガス公社)などは、定年も早く、年金額もよく、早々と優雅な引退生活が送れるという話であった。

50歳前に職場を離れてしまったが、その職場の定年は65歳であった。65歳になったとき、職場を離れていなければ、この年まで働いていたのか、と思ったが、体力・知力・気力、などの面で可能であったかどうか、疑問に感じた。

年金受給との関連からいえば、働き続けることは必要だが、働き続けられる人ばかりかどうか、それはわからない。病気がちな人もでてくるだろう。職場での存在が、老害と思われる人もでてくるかもしれない。

雇用の場を広げる、つまりは経済を活発化することがまずは必要だろうが、現況、あるいは将来的に可能かどうか、不確実である。
甥は、就職浪人となりそうだ。高齢者の職場確保も大変だが、若者の苦労も続く。

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