朝日新聞で、「孤族の国」というシリーズがある。昨日から第4部「女たち」が始まった。

今年のクリスマスは日曜日、23日の天皇誕生日から3連休になる。「孤」の人々にとって、最悪の組み合わせだ。「孤」の人々にとって、クリスマスからの年末年始は、苦しい時期である。

もう昔といってもいいほど、時間がたったけれど、大学を卒業し、東京にでてきて、しばらくは兄の家や、両親も上京したことで、家族と一緒に生活していたが、両親も退職して故郷に戻り、兄は関西に転勤となり、一人暮らしを始めた。

親や兄たちの束縛を早く離れたいという気持ちはあったが、一人暮らしというのは、経済的にも精神的にもつらかった。とくに、にぎやかなことが好きだったので、いつも人と一緒にいたかった。
ところが、クリスマスとお正月は、一緒にいてくれる人がいない。ショックだった。考えた挙句、クリスマスはわが家に人を招くことにした。同年輩の男女の友達を招き、クリスマスパーティをするのだ。恋人のいない人たちがけっこうそろっていた。

ところが、結婚をする友達もでてきて、どうも12月24日は、家族サービスをしなければ、と言いだし、12月24日は避けなければならなくなった。イヴを一人ですごしたくないから、パーティをするのに、と言いたいが、パーティが成立しなければ、どうしようもない。

好きな人もいたけれど、恋人とよべるほどの人ではないし、冷たい人だったから、レストランを予約して食事、すてきなクリスマスプレゼントがもらえる、なんてロマンチックなことは期待できないし、まず、24日をその人のためにあけておいても、振られるのがいつものことだった。

お正月はもっとひどい孤独な時間である。独身の友達も、帰省したり、スキーに行ったり、なにかしら予定があるらしく、どうしてる?といった電話もかかってこない。
幸い、働いていた場所が外国機関だったので、12月31日まで仕事、新年は1月2日から仕事始めと、元旦だけが休日だったので、元日だけの「孤」ですんでいた。

今はつれあいがいて、完全な「孤」ではないけれど、二人だけの生活も、ほとんど「孤」状態だ。クリスマスといっても、ふつうの食事になってしまう。私の作るクリスマス・ディナーは、いつもと同じ味で、ワインかシャンペンを飲んでも、キャンドルの明かりにしても、ロマンチックな雰囲気は生まれない。暗くて手元が見えない、とつれあいが文句をいうから、すぐに照明は電気となる。

私にとって、年末年始の「孤」はトラウマだから、この時期になると、「孤」ですごしているだろう人たちのことが気になってしかたがない。といっても何もできないのだが。

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