国家元首の要件

今年は国家元首(大統領)選挙の当たり年だ。つい先日、ロシアではプーチン氏が大統領に返り咲いた。
フランスでは、公式の選挙運動が始まった。現大統領のサルコジ氏、それに社会党のオランド氏が有力視されている。

連日のように、アメリカの大統領選挙前哨戦が報道されている。共和党の候補者を決めるための選挙が毎日のようにニュースのテーマになっている。
有力候補のミット・ロムニー氏は、モルモン教の信者なのだそうだ。アメリカではWAPSという言葉がある。イギリス系白人でプロテスタントでなければ、アメリカで出世することができないと言われていた。これはもちろん大統領にもあてはまり、ケネディ氏が大統領になったとき、アイルランド系のカトリック信者が初めて大統領になったと話題になった。

現オバマ大統領は、黒人(混血だが)初の大統領というので、選挙中は選出は無理だろうとうと言われながら、とうとう選出された。

フランスでも以前であれば、純粋(何をもって?)なフランス人で、敬けんなカトリック信者でなければ、と言われていた。ドゴール大統領が好例で、次のポンピドゥー、ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラクと一応、その条件を満たしている。ミッテランのあと、社会党のロカール元首相が有力視されたとき、彼がカトリックだから駄目だとか言われたこともある。

タブーはだんだんなくなっている。現大統領のサルコジ氏は、東欧移民の子であるし、大統領に選出された時ですでに再婚、直後に離婚して、現夫人カーラとは3婚目だ。
いわゆる保守的かつカトリックのフランス人は、離婚をスキャンダルという。そういう点からいえば、サルコジが大統領という可能性はなかったはずだが、そのフランス人多数が、当時の対抗候補セゴレーヌ・ロワイヤルよりはましと選んだのだ。

その敗北候補のセゴレーヌ・ロワイヤルは、現社会党候補のオランド氏と長い間パートナーであった。しかし、5年前の大統領選挙のころは、もう別れていたようだ。オランド氏には、現在、別の女性がつれそっているとか。
女性問題は、もう大統領選挙では問題にならないらしい。

宗教はどなのだろう。フランスはライシテ(非宗教性)を重視する国だが、根幹には「ローマの長女」といわれるカトリックの影響力をもっている。プロテスタントまではあるかもしれないが、キリスト教以外の信者が大統領になる日もあるのだろうか。

そんなことより、もっと大切な要件は多いのだろうが、ちょっと気になっている。

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