白い花

「白い花が咲いてた、故郷の遠い夢の日」という歌詞がある。この白い花はなんだろうといつも考えていた。
「からたちの花が咲いたよ、白い白い花が咲いたよ」という(正確ではないが)歌詞もあった。

6月の今、白い花の盛りだ。今朝の朝日新聞の天声人語でも書いてある。先んじられてしまった。桜の季節が終わると、春の花は黄色になる。レンギョウやヤマブキなど、黄色の色が鮮やかだ。それと同時くらいに、雪柳の白が目立つ。

白の花はまだ続く。春は木の花が多いけれど、やけに白い色が目につく。泰山木、山法師、ミズキ、ナナカマド、オオデマリ、コデマリ、卯の花、名を知らない木もある。
それに草花にも白いものが多い。やたら増えてしまったマーガレット、白のアヤメがあり、どくだみの花も白い。我が家の芍薬は白色だ。

これはどうしたことだろう。季節の色というのがあるのだろうか。確かに春先の黄色は鮮明だ。夏なら白もわかるが、この6月の雨の季節に白い花は咲いている。あまり自己主張は強くない。

これからだんだん色ものの花が咲き始める。ムラサキや青、オレンジや赤、いかにも花として、自分の存在をみせるが、その前のキャンバスになるのだろうか。

マーガレットがこの数日の雨で倒れてしまった。ナナカマドの花も地上に散らばってしまった。オオデマリや泰山木も黄色に変色し始めている。ナツツバキはまだ先の話だ。

白い花が雨に洗われるように、私たちの目も白色で洗われているのかもしれない。


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