日曜日は休みましょう

外国人、私の場合、フランス人の言うことだが、日本のサービス業で、コンビニと宅急便は信じられないほど便利なものだという。私もそう思う。

まずコンビニについて考えよう。私はあまり利用しないのだが、24時間あいていて、大体のものがそろうのは実にすばらしい。フランス人の友人が山の中の我が家を訪ねてきた。夜、薬局はあいているだろうか、と言う。薬局自体がないのよ、何がほしいのか、急病なのかと心配すると、生理用品がほしいという。それならば、と送りがてら、駅の近くのコンビニへ案内した。

24時間営業のコンビニではないが、友人にしてみれば、夜遅くの時間帯にもかかわらず、あいている店があるというのは、驚きだったようだ。襲われないの?と聞く人もいる。以前には自動販売機がいたるところにあり、正常に稼働しているのにすら驚いていたのだ。フランスでも地下鉄のホームに新聞やスナック菓子などの自動販売機が置かれるようになったが、街角にあるなんて、どうぞ襲ってください、毀してくださいというようなものらしい。

フランスで不便なこと、それは日曜日にお店が開いていないことである。プランタンやギャルリー・ラファイエットなどのデパートも閉まっている。旅行者にとって、買い物を禁じられているのと同じだ。

キリスト教では日曜日は安息日である。日曜日の労働は長く禁止されていた。労働者にとって、犯すべからざる権利の休養日である。日曜日にお店をあけるには、県知事の許可が必要であった。クリスマスのころなどには、認められるが、いつもいつもではない。それに日曜日に働かせると、割増の給与を払わなければならず、経営者にとって、利益と負担を天秤にかけ、強いて営業許可を求めなかった。

しかし、時代は少しずつ変化している。たとえば郊外の大ショッピングセンターなどでは、いケアなどの外国資本の大型店、あるいはスーパーやハイパーの食料品の店、などは労働組合との協議をへて、以前から日曜オープンしている。

フランスに住んでいたとき、不便でしかたなかった。フランス人にそれを言うと、別に不便ではないという。日曜日はお店で買い物しなきゃきいいのだから、というのだ。でも、週日働いているとき、週末しかショッピングできないでしょ、というと、土曜日にすればいいだろう、という返事。土曜日に用事でできなかったら?次の土曜日をまてばいいだろう、と話がかみあわない。

つまりフランス人は消費者の便利よりも、働く人の権利のほうが尊重されているのだ。長く住んでいるうちに、日曜日は閉まっているというのが、インプットされて、不便でもなくなったが。お店による定休日の違いを考えなくてすむのは便利でもある。
(フランスでは2009年8月のマイエ法で、日曜営業の可能性は増えたが、営業している店が大きく増えたわけではないそうだ)
そうしてみると日本では、年中無休、24時間営業、あるいはデパートなども営業時間の延長、すべてにお客様のニーズを先取り、あるいは大切にしている。本当に必要なことなのだろうか。そこまで便利である必要があるのだろうか。

コンビニの24時間営業のためには、商品の補充などで、配達も日に数回行われるという。そのことは今のエコを問題にするとき、妥当なことなのだろうか。
そんなことより、日本人のこの便利になれた常識をかえていきたい。と利用できない不便なところに住んでいるひがみで願っている。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。