宅配便

日本における究極の便利、それは宅配便だ。これはいつから始まったのだろう。ずいぶん昔に関西の友人宅を訪問したとき、初めて耳にした。彼女の実家が杉並区にあり、芦屋から帰る時、荷物を送るのに、自宅まで取りに来てくれ、配達してくれるサービスがあるのよ、と聞いて、びっくりしたのが初めてだったと思う。

この地に引っ越してきたとき、宅配のサービスがあるかどうか、とても気になった。山の中、住んでいる人が少ない、こんなところに配達してくれるのだろうか、してくれても週に1回くらいかしら、と心配していたのが嘘みたいに、今では時間の指定もでき、留守の時には再配達も可能だ。

こんなサービス、フランスにはない。友人のアリスが夫とともに日本に来た時、東京滞在を終えて、広島や京都を訪れ、関空から帰国するということだった。「じゃあ大きなvalise(スーツケース)は空港に送って、手荷物程度で動いたら?」とアドヴァイスした。何の知識もない二人に、ホテルのフロントに相談するように言う。1)関空に荷物を送りたいこと、2)書類を渡されるから、何日の何便に乗ることなども記載すること、3)空港では少し早目にいって、荷物を受け取り、それからチェックインをすること、など簡単に説明した。

理解したのか、しなかったのか、けげんな表情をみせているので、リスクをきらってやらなかったかも、と思っていた。ところが、次にフランスで会った時、「おかげで、フリーハンドで旅行ができた」、「あんな便利なシステムがあるなんて!!!」と大感謝されたのだ。

そうしてみると、フランス人は荷物を送るとき、どうしているのだろう。ほとんどがポストを利用しているようだ。大きな荷物の場合、受付の場所が異なるが、やはりポストの一部で取り扱っている。自宅までとりにきてくれることはないのではないかと思う。

パリや国内の移動でも、みんな大きな荷物を持っている。アフリカほどではないけれど、TGVにも大きなスーツケースを持ち込む人は多い。

郵便局のサービスも拡大したが、宅配便は土日、祝祭日も受け付けており、配達も同様だ。こんな便利なことはない。しかし、いつもこんな便利さを享受していいものか、うしろめたい気持がしてならない。

今日は電話で注文した化粧品のサンプルが届いた。送料無料である。

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