故郷は遠きにありて

故郷に帰ってきました。18歳、高校卒業までくらした土地です。年数からいえば、東京で暮らしたほうが長くなりますが、幼児期から思春期までの、多感な時代をすごした土地は、懐かしいものです。

それに父母はもういなくても、お墓はあるし、実家は兄が継いでくれています。ですから、まだ行くではなく、帰るという表現を使いたいのです。

でも町の様子は全く記憶とは異なっています。道路も変わり、景観の変貌には追い付いていけません。新幹線が通る予定の駅は、真新しく、素晴らしいステンドグラスが光っています。
駅前には高層マンション、うわさではこの町出身の某歌手が最上階に部屋をもっているそうです。

繁華街をみると、シャッター通りになっています。シャッターでなければ、駐車場になっています。そしてほとんど満車の状態です。こんなに車があって、人がいるはずなのに、どうして人通りはないのか、店が閉めなければならないのか、不思議な感じです。

実家に近い老舗のお茶の店に行きました。「お帰りでしたか」と迎えてくれました。ほっとします。まだ知っていてくれる人がいる、それでなければ古里になりません。


現在住んでいるところからはとても遠い古里、あと何度帰ることができるやら、そのうち、きっと遠くにありて思うもの、になりそうな気がします。

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