優雅な休暇

この2、3日、フランスの閣僚の優雅な招待休暇が問題になっている。まず、ミシェル・アリオ=マリー(MAM)外務大臣、ついでフィヨン首相だ。MAMはチュニジアで、フィヨン首相はエジプトで年末の休暇をすごしている。

いづれも1月、チュニジアは大統領が逃亡、そしてエジプトはまだ騒動がおさまっていない問題の国だ。駐チュニジア仏大使は、この政変をきちんと把握していなかったとして、更迭されている。そのボスの外務大臣が、チュニジア政府の招待で休暇をすごしていたこと、これは問題ではないのか。

またフィヨン首相は、家族ぐるみで、年末をエジプトのアプシンベルで過ごしたのだそうだ。アスワンまではフランス政府の閣僚用専用機で、そのあとはエジプト政府(つまりムバラク大統領)の丸抱えだったらしい。

サルコジ大統領は、閣僚に対し、「休暇はなるべくフランス国内ですごすように、もし外国政府の招待があるときは、大統領府に申請し、大統領府の外交担当が審査して、許可をだす」という。

そのサルコジ大統領も、まだカルラ夫人と結婚する前、エジプト公式訪問のあと、カルラ・ブルーニ嬢と私的な休暇と称し、エジプトに滞在したが、それもムバラクの招待だという。

そのほか、大統領に選出されてすぐ、マルタ島へ豪華クルージングをしたのは、フランス実業家のヨットであったし、アメリカで夏の休暇をすごしたときも、フランス系かアメリカの実業家の別荘であったとか。

エジプトでいえば、私がアスワンへつれあいと旅行したとき、ミッテラン元大統領が滞在していた。前後してフランスへ帰国されたのだが、ダニエル夫人とではなく、愛人とその間の子と一緒だったという。

フィヨン首相は、エジプト政府から以前から招待されており、それを受けただけだとか、先輩首相、大統領たちも同じことをしてきたと、弁解しているようだ。

日本の閣僚たちの貧しい夏休み、たとえば、菅首相の昨年の夏休みは、たしか軽井沢のプリンスホテルのコテージで数日すごしただけだったと思う。
それだけでも、フランスよりましと言っていいのだろうか。

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