寄付をやめたくなった日

あしなが育英会から郵便物が届いた。ちょっと分厚い。中には2010年度の寄付した金額を記したものと、ニュースレター、これからの寄付をしやすくするための郵便振替票がはいっている。それだけならいいのだが、今回は会長の写真を表紙にした「母の事故死と妻のがん死がすべての原点であり、いつまでも私をあしなが運動に駆り立てる」という長い表題のパンフレット、それプラスNHK「こころの時代」を収録したDVDが同封されていた。

やめてくれ!!と言いたい。こういう活動は、スターの人が始めるならともかく、無名、匿名、目立たずにやってほしい。このパンフレットにDVDの費用はどこから出たのだろう。育英会の広報費なのだろうか。

この育英会の活動に賛同して、すこしではあるが寄付をした。しかし、この活動にウガンダのエイズ遺児への奨学金がはいっているというので、ちょっと待って、と言いたくなっている。趣旨は大変結構なのだが、日本の交通遺児たちへの奨学金は十分に足りているのか、余っているほどなら、寄付をやめる。

ウガンダへの援助はいいのだが、これには別のNPOでも立ち上げてほしい。あしなが育英会でいっしょくたにされたくない。ニュースレターには寄付を寄せる人の70%は、ウガンダへの援助に賛同しているという。私は残りの30%にはいるわけだ。

慈善団体やNPOなど、組織が大きくなると、だんだん余分な脂肪をつけてくる。最初の目的以外に、枝葉が茂ってくる。そして会長や理事といった人たちの姿が表立ってくるのだ。

新聞などの広告に、「国境なき医師団」、「フォスターペアレンツ」、「ユニセフ」などが見受けられるようになった。こういう広告の効果というのは大きいのだろう。きっと経費を上回る寄付を受け取ることができるのだろう。

しかし、なにか違うようなきがするのは、私だけだろうか。

以前、働いていた外国の機関で、経験したことがある。この国の大統領夫人が、自分がかかわっている団体に寄付を求めるため、来日したことがある。モロッコの反政府の団体、イラクのクルド人たちの保護など、夫である大統領の外交方針と異なるところで活動しているのは、私も尊敬していた。

しかし来日は、財界などを訪問して、大口の寄付を求めるのが目的だったらしい。現職の大統領の夫人である。大使館は全行程の予行演習を行い、宿泊はホテル・オークラであった。飛行機がファーストクラスであったかどうかは知らないが、この旅行の経費はいくらかかったのだろう。また大使館側の費用は国の税金なのだ。

マザー・テレサの組織のように、本当に経費は切り詰めて、活動そのものに費用をあてる、そんな団体がもっとないものだろうか。

もうひとつ、DVDを送ってきたことに腹がたつのは、どの家にもDVDの機械があると思ってのことなのか、ということと、時間まで奪う気かということだ。

だんだん文句が多くなってきた。

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