略奪行為

エジプトの記事が一面から消えて、国際面に移った。相撲の八百長問題がトップを占めたことにもよる。
野党(イスラム同胞団)と当局の対話が始まったことにより、一部、通常の生活に復帰したことにもよるようだ。

エジプトの民衆運動で、死者もでたようだが、略奪行為が話題にのぼらない。すばらしいことだ。

アフリカにいたとき、数少ない商店のありかたに驚いた。ショーウインドウはない。金属製のシャッターが閉まり、入り口のドアはがっちりした金属の格子戸になっている。ガラスはない。

なんと商売っ気のないお店だろう、殺風景だ、と思ったのは、平和ぼけの日本人ゆえだ。泥棒よけなんて生易しいものではない。いったん何かが起きると、すぐに民衆の襲撃、略奪に結びつく土地柄でもある。焼き討ちのおそれさえある。

商店ばかりではない。住宅も略奪の目標にされうる。高級住宅街では、塀が高く、その塀の上には鉄条網がぐるぐる巻かれているか、ガラスの破片がとがった部分を上にしてさしてある。

窓やドア、すべてに鉄製の格子戸がついており、それが2重であったり、3重であることもある。そういう中で生活をすると、牢獄で生活しているような気分になる。

隣家の一つ、スペイン大使公邸では、数年前、それでも侵入されそうになったという。「こわかったわよ」と大使夫人が言っていた。

暴動にならずに秩序を保っているエジプト、平和的に政権が委譲されていくことを切に願うものである。

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