政府専用機(フランス版)

日本の政府専用機は2機あると聞いている。天皇・皇后両陛下の国賓としての訪問などの時、お召し機とそれになにかあったときの補助機としてかならず2機が動くそうだ。総理大臣の海外旅行でもきっと2機が飛んでいるのだろう。

この間からフランスの閣僚の優雅な旅行が問題になっていた。今日もフィヨン首相の週末旅行が取り上げられている。週末をサルト県(パリの南西)にある別荘ですごすために、軍の飛行機ファルコンを使用したのだが、その費用が2万7000ユーロ(概算310万円)かかったのだそうだ。

大統領と首相は、警備上の問題から、それが私的な移動であれ、軍の飛行機を使用することができる。GLAMというサービス機関があり、閣僚などにも軍の飛行機使用が認められている。
専用機ではないにせよ、それに相当するサービスである。

この高い週末移動代を問題にしているプレスは、なぜ週末別荘にいくだけに、これだけの費用のかかる飛行機を使ったか、パリのモンパルナスの駅からはTGVで1時間20分でいけるのに、と言っている。飛行機では1時間かかるのだそうだ。

当局の返事は、TGV利用の場合、警備の点で、他の乗客に迷惑をかけるからだとか。しかし、貸切の車両にしても5800ユーロ(66万ほど)ですみ、車でいけば、たった110ユーロ(そのうち40ユーロは高速道路の料金)ですんだのに、と国費の浪費をついている。

フィヨン首相は、先の年末・年始の休暇時、エジプトでムバラクの招待に与ったというので、問題にされていたではないか。フランスからアスワン?までフランスの公用機で行き、その先はアプシンベルまでをエジプト政府の飛行機を利用したとか。
日本では、政府専用機の使用については、厳しい利用規定があるのだろうか。あまり私的利用というのは耳にしない。


ニュージーランドにいった政府専用機は、そのまましばらく留め置き、帰国の際に、被害者家族を同乗させることも検討しているとか。

政府専用機

ニュージーランド、クライストチャーチでの地震、とうとう72時間を超えて、まだ行方不明者の数は200名以上だ。その中に語学研修で滞在中の日本人が多数含まれているという。

英語の研修といえば、アメリカの西海岸かイギリスを思い浮かべる古い世代なので、そういえば、オーストラリアやニュージーランドへ行く友人もいたことを思い出した。

この地震災害にあった人たちの家族に対し、前原外務大臣が政府専用機を出すというニュースを見た。その時、政府専用機というのは、そういう使い方ができるのか、と疑問にも思い、また民主党政権だから、臨機応変に使うのかなと思った。

ところが、やはりだめだったようだ。政府専用機を管理する防衛省の長である防衛大臣が聞いていないと言ったとか。前原外相の勇み足だったようだ。結局、救援隊をのせて飛び立った。

このいきさつを、あるテレビ局のお昼頃の番組で紹介していた。そして乗せます、乗せませんと変わったことについて、乗せてあげればいいのに、と簡単にコメンテーターが興奮した口調で言っている。アナウンサーからほとんど全員が同調している。

ちょっと待ってよ!と思った。もう少し、法律や制度に詳しいコメンテーターが一人はいてほしい。そして、政府専用機とはこういうもので、用途はこれこれ、といったことで、説明してくれれば、こいう場合に、地震の被害者家族の渡航のために使えないということが、視聴者にも番組に出演している人にも理解できるというものなのに。

感情的にいえば、一刻もはやく現地へ、と思っている家族に政府専用機を提供するというのは、政府としていいことをやってくれると思うものだが、こういう番組の無責任さから言えば、のちのち人気取りとか、税金の無駄遣いとか、いろんな批判をしそうだ。

私もきちんと法的根拠を知らないので、あまり言えないのだが、民間機が飛んでいるところに、一般の人を政府専用機で運ぶというのは、ちょっと考えられない。紛争地から邦人を退避させるときでも、救援機というのは、だいたいチャーター機であって、政府専用機を使ってくれることはないはずだ。そして救援機にのせてもらって無料というわけではない、という事実はあまり知られていない。

それにしても、鳩山、菅、そして菅後の有力候補たる前原さんが、こんなに軽々しく行動するのは、民主党の軽さを示しているようで、なんとも心もとない

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