フランスのお手伝いさん

昔、フランスのお手伝いさんはla bonne(ラ・ボンヌ)と呼ばれていました。今はfemme de menage(ファム・ド・メナージュ)と言います。日本でも女中さんから家政婦さんとか家事手伝いと呼び方が変わりました。

我が家(生家および婚家)に、お手伝いさんはいない。通いの家政婦さんをお願いしたこともない。したがって、日本ではどんな風に仕事をお願いすべきか、知らない。

ちょっとフランスのお手伝いさんの仕事ぶりをお知らせします。毎年2-3週間をすごすパリのA家。通いのお手伝いさんがいます。その昔は住み込みだったようですが、現在は通いです。そして午前中だけです。このお手伝いさんは、A家のほかにあと2軒ほど働いています。

朝8時、新聞片手に台所のドアから入ります。台所の食卓でA夫妻と私が朝食をとっています。
ボンジュール ムッシュー、ボンジュール メダム(女性が2人いるので複数で)、と元気のいい声であいさつです。

彼女はコートを玄関のコートかけにかけ、台所の片隅においた靴に履き替え、エプロンをつけます。食器洗い機から昨日の食器を出し、置くべき所においていきます。流しには使ったフライパンや鍋がそのままなので、それを洗います。

台所関係をすませると、A夫妻の寝室で、ベッドメークです。日本人と違って、A夫妻は毎日お風呂にはいるということはありません。いつはいっているかわかりません。ですから、お風呂掃除はいらないのです。お風呂、トイレ、洗面所がかたまって、寝室のわきについています。

クリーナーは大体週に1回の割合でかけているようです。洗濯も多くて週に1回、ですからアイロンかけもそれにあわせてです。

11時くらいから、夫妻の昼食を下ごしらえします。コーヒーもドリップ式で、テルモと呼ばれる魔法瓶にいれておきます。温めればすむだけにして、彼女は自分の昼ごはんを作ります。下ごしらえがすんでいて、ちょっと温めればいいだけになっています。

A夫妻の家には、オーブンはあるものの、電子レンジはありません。ですから、ちょっと不便です。彼女はサッサと昼を食べ、週日ならア・ドマン(また明日)、金曜日ならボン・ウイークエンドと言って、次の職場へと行くのです。

とても能率よく働いてくれます。けっこう高給取りです。このごろは彼女が賃金を決めるのだそうです。フランスは家事労働者についても、社会保険を完備させています。したがって、年金もあり、老後も保障されているのです。

私もフランスでお手伝いさんをしようかな、と若いころ考えましたが、彼女をみると、とても無理だということがわかりました。でもしか、ではできません。
年末の大掃除をしなければ、と追われた気分の今日この頃、彼女が海外出張をしてくれないかと思う気持ちがでてきます。

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