気になることば

このごろ、もう耳にするのがいやな言葉がある。それは”させていただく”という表現だ。兄によると、この表現を使い始めたのは、前首相だという。

いかにもへりくだっているようで、上からのものいいであることがみえかくれする。本当に謙譲、あるいは受け身の意味で使っているケースはほとんど感じられない。

先日の歌舞伎俳優の記者会見でも、何度この表現を使っていたことか。自分たちの結婚についても”結婚させていただいた”と言っていた。結婚は両性の合意のみに基づいてするもので、させていただくものではない。

もしかしたら、ひいき筋とか、親などの意図が別にあるのだが、そこを押して結婚したという意味だろうか、とついうがってみてしまう。どうして、結婚いたしました、とあっさりした言い方をしないのだろうか。

政治家、芸能人、言葉に敏感でなければならない放送界の人たちもその例外ではない。
させていただくと言えば、批判されないとでも思っているのだろうか。

そのほかに、もうひとつ、”とんでもない”、もある。私のつれあいも、なんど注意しても”とんでもございません”などと言っている。”とんでもないです”とか”とんんでもないことでございます”という表現を使える人は10人に一人もいない。

ことばは変化する。これも許容範囲の一つなのだろうか。


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