テレビジャック

今、わが家には中学1年生と小学4年生の2人の女の子が滞在中である。母親同伴で来たのだが、母親は仕事があって、1泊だけで帰っていった。二人の女の子は、あと3泊する予定である。

昔、よその家に泊まった時、その家の御主人を中心とした生活のやりかたに順応するため、アンテナを張り、すべての注意を家族の動きにむけて、自分の位置が家族に迷惑をかけないよう、つとめたものである。
当時はテレビがなかったから、チャンネル権の問題もなかった。

これは現代風というのだろうか。この二人は普段の生活の中で、テレビから隔離されているらしい。下の女の子はバイオリンの練習があり、毎日、テレビをみる暇もないようだ。上の娘は、勉強なのだろうか。
母親がいなくなって、さあ、テレビを禁止する人がいなくなった。

「おじちゃま、テレビをみてもいいですか?」と可愛く聞いてくる。つれあいにしてみれば、別に禁止する理由もない。「いいですよ」と返事したのが運のつき、テレコマンドは彼女らの手中に握られた。
「勉強は?」、「歯磨きは?」、「お風呂は?」と問いかけても、上の空、テレビに夢中である。

すっかりテレビジャックされた老人二人は、さしてみたいという番組もないまま、パソコンで時間つぶしだ。こんな時間も、母親が不在だからこそできるのだろうし、これがいまどきの若者なのだ。つれあいがこわがられもしないし、けむたがられもしない、それはいまどきの老人のあるべき姿かもしれない。
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