事実婚(フランス婚)のすすめ

先日、渡辺淳一氏の「事実婚のすすめ」を読んだ。現在の少子化の原因が、未婚率上昇にあるとすれば、結婚の形式にこだわらず、事実婚をすればよいと言われている。
渡辺氏の小説の作風と、このエッセイとのつながりが、ちょっと違和感を感じさせた。

その理論の根拠として、フランスを取り上げている。フランスは先進国ではめずらしく、出生率が2を超えている。出生する子どもの50%以上が婚外子で、正式な婚姻以外から生まれているという事実から、事実婚をもっと認めようというのだ。

日本では婚外子といえば、シングルマザーと結びつけることが多いけれど、フランスの場合、正式に結婚していないだけで、パートナーは存在する。
このごろは、事実婚を「フランス婚」とも呼ぶそうだ。

このごろ、子どもに「愛の結晶」と言えなくなってきている。できちゃった婚などは、愛の結果と言えそうだが、実際は、動物的結合というのか、刹那的な結合の結果でしかないことが多い。欲望の挙句で、深い愛情があってともいえない。

なんでもありのような現在、婚前交渉というのも別に珍しくない。結婚まで性交渉をもたない方が珍しいらしい。
昔風に育った人間には、どうもなじめない。きちんと結婚をし、そして子をなす、といったオーソドックスな生き方は古いのだろうか。

フランスで事実婚が多いのは、離婚が日本より大変なこともあるが、「産む」という行為を、女性の選択に任せるようになったこともある。
「家族制度の崩壊」の第一歩なのか、それとも子どもが生まれるというのは、家族の存続を可能にしているのだろうか。

少子化が問題視されているが、その理由は、次世代を構成し、労働力や年金負担のために、といった観点からのようだ。そんな目的ではなく、子どもそのものが宝なのだと思っていきたいものだ。


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