失効するお金

日本では休眠口座の活用などが話題になっている。今朝のF2を見ていたら、2月20日月曜日で、フランスの以前のお金、フランス・フランが完全に効力を失うという。
何年か前から、フランのユーロへの交換は、市中銀行ではなく、フランス銀行のみで行われるようになっていたが、いよいよ、それも終わりになる。

フランス銀行支店の前には、最後に交換しようという行列ができていた。タンスの底から出てきたとか、ずっと着ていなかったコートやスキージャケットのポケットにはいっていた、コレクションでとっていたのだけど、といったお札を手に、行列をつくっている。

このユーロに交換されなかったフランは、金額にして、5000億ユーロに相当するらしい。これは国庫にとっては債務であるが、交換されなければ、そっくりそのまま、国への贈り物になるのだ。
行列をつくって交換できるのも、フランス国内にいる人たちだけだ。相当額が交換されるけれど、外国でもっている人、たとえばアメリカ人や日本人が旅行で、余ったフランをそのまま持ち続けている場合など、20日までにフランス銀行で交換しなければ、「はい、それまでよ」になる。

わが家にもある。サンテクジュペリの図柄など、「星の王子様」に凝っていたので、残していたりするし、また銀の含有率が高いからとか、記念コインだからといって、5フラン銀貨が数枚は残っている。もうこれはノスタルジーの対象にしかならないのだ。

あるいは、ユーロ崩壊があれば、また何かしらの価値が出てくるかもと、髪の毛1本程度の希望をつなぐことも可能ではある。

私がフランスにいたのは、ちょうどフランが最後のころで、フランとユーロの値が併記されていた。しかし、やっぱりフランが通用するので、ユーロにはなじみがなく、ユーロが使われ始めた2002年では、もう旅行者としてしかフランスの地を踏むことはなかった。

隠れたお金をあぶりだすには、デノミとか通貨をそっくり変えるという方法が一番だ。2年ほど前の北朝鮮もやったが、コンゴ民主共和国に滞在していたときも、コンゴ・フランがデノミされ、混乱したことがある。
日本も、景気振興には、デノミが一番と主張する友人もいる。

今や、制度疲労を全ての分野に感じるが、首相公選制や1院制、地方分権、社会保障を存続させるかどうか、いろんな変革のなかに、デノミも一考の余地ありのようだ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。