拒否権

パレスチナの国連加盟申請に対し、アメリカが拒否権を使うことも辞さないという報道だ。国連加盟については、申請があると、まず安全保障理事会にかけられる。安保理事会は、常任理事国5カ国と非常任理事国10カ国でなる。常任理事国は、米、英、仏、中、露の国々だ。

昔、何かの国際問題で、安保理事会にかけられたとき、拒否権を使うのは、常にソ連だった。日本で受けた教育では、米、英、仏は正義の味方、ソ連はそれに対して、横車を押す不届きな国、という印象をもっていた。ロシアは当時、ソビエト連邦であったし、また中国は、本土の中華人民共和国ではなく、台湾の中華民国だった。

日本の国連加盟についても、ソ連が反対したというし、何事も反対するのはソ連、という意識があった。ところが、今回のパレスチナ加盟では、アメリカがその拒否権を使うという。中国、ロシアは賛成らしいし、英、仏の態度は知らないが、拒否権まで使うことはないはずだ。

この常任理事国の制度、どうにかならないだろうか。国連は第二次世界大戦ののち、結成されたものだから、世界大戦勝利国の意向が強く反映されている。
戦後66年を経て、加盟国も190以上になった。新興国も多い。1950年ごろの論理が通用しない時代である。

アメリカもいつもソ連の覇権主義というのを批判していたはずなのに、今回は全く覇権主義そのものの行動だ。
パレスチナにしても、国家として世界に認知され、国家対国家という形で、和平の交渉をしたいのだろう。

ソ連の代表が、ニエットと冷たく宣言して、会議の席を離れるというシーンをなつかしく思いだしている。

ドルが枢軸通貨でなくなり、国連安保理事会における拒否権だけが、アメリカの切り札とすれば、なんと悲しいことだろう。
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beni_ha

そうなんでしょうか。。。。。


少なくとも日本に住むものから見れば、今回のパレスチナの国連加盟問題は初めての話題です。

一年くらい遅くなってもいいんじゃないのはないでしょうか。


国際政治の舞台は魑魅魍魎です。


経済的なメリットの裏返しで政治的な行動をしている国もあるかもしれません。

特に、武器輸出等が絡んでくると、人道的な基準で議論されているかどうかも不思議です。

また、「有力国が国連を脱退する」というようなことも想定されます。


日本に住むものから見れば、今回のパレスチナ加盟問題が、スタートになって「世界平和」「世界中の人が豊かに暮らす」等々を考えてみるのもいいことではないでしょうか。


ちなみに、近くて遠い国「北朝鮮」も国連に加盟しているはずです。
何か変わったのでしょうか?







by beni_ha (2011-09-29 04:48) 

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