女4銃士

女4銃士というと、なんだと思われるかもしれないが、仲良しグループである。年齢は60代、昔、テレビ局でアルバイトをしていた仲間である。職場を離れて40年、まだ付き合いが続いている。

職場でそんなに親しくしていたわけではないのに、アルバイト期間が終わって、みんなばらばらになったのに、細い糸がつながっていて、ある時、会いましょうということになった。というより、私以外の3人はときどき会っていたようだ。そこに私も加わって、4銃士となったわけである。

一人はアルバイト勤務を始めて3カ月の試用期間もすまないうちに、職場結婚をしてしまった。もう一人、勤務しているセクションの人と結婚した。3人目は、アルバイト期間終了後、また別の会社に働き、幼馴染と結婚した。それぞれに結婚、出産、育児の期間をすごしたわけだが、その間も細い糸が繋がっていたようだ。

私は、アルバイトが終わった段階で、外国を放浪し、帰国してからは、いくつかの職場を経て、外国機関で働いた。

3人は自宅からの通勤で、安い給料ながら、余裕があった。私は、海外旅行を計画していたこともあって、超倹約の生活だった。お昼には、社員食堂で一番安いトーストを買い、近所のお肉屋さんで揚げたてのコロッケをはさんだのが昼ごはんであった。お天気のいい日は公園で、雨の日は社員食堂でトーストだけが昼だった。
そんな時、彼女らが定食などをとり、そのおかずをわけてくれるのだった。

若い社員のなかで、アルバイトで働く女性は、想いをよせられることもある。私についてはなかってけれど、あて馬がわりに日曜日のドライブにさそわれたり、退社後の飲み会に友人たちと一緒に参加したりしたこともあった。

学校友達以外では、最初にできた友人だったので、長く付き合いが続いたのだろうか。それぞれに子育てが終わり、余裕ができたころから、電話で話すばかりでなく、直接会うことが増えてきた。

先日、2年ぶりに会食をした。3人は在京なので、それ以外にも会っているのだが、私だけが遠いので、参加できなくていたのである。どんなに話しても話が終わらない。いつしか、一緒に旅行しようということになった。
2人はつれあいを亡くした。こころしてメリー・ウィドーであろうとしている。

あまり遠くない外国で、ということで、バリ島が候補にあがっている。みなさん、インターネットはお手の物らしい。早速に料金などを調査してくれる。
はたして、実現するのかどうか、まだ不透明ではあるが、こののりの良さ、さすが都会派の中高年だ。

人生のほんのちょっとの期間、職場をともにした友人たち、不思議なご縁ともいえる。
4人そろって、バリ島でのエステを楽しみにしているのだが、いささかグロテスクと言われそうな気もする。

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