新旧のお手伝いさん
30年以上通って、変化に乏しいフランスの代父・代母の家だが、今回はいろんな点で変化があった。まず台所にそれがみられた。50年使ったという冷蔵庫がなくなっていた。それに電子レンジが登場していたし、カプセルで抽出するコーヒーメーカーがあった。
それより、40年以上働いていたお手伝いさんが交代したことが大きな変化である。これまで、もう家族とも言っていいような存在になっていたスペイン人のお手伝いさんが、今年1月初めに脳梗塞で倒れたのだ。家事のすべてを飲み込んで、彼女なしではまわらないのでは、と思うほどだったが、脳梗塞では復帰不可能である。
90歳の夫婦の家では、お手伝いさんなしではすまない。姪がすぐに後任を手配してくれたという。新しいお手伝いさんは、ガテマラ出身で、アンナという。
前任者のカルメンは、小柄で細身だったが、アンナは背も高く、太っている。カルメン2人分の大きさだと、代母は言う。もう4カ月以上になるのだが、まだ何ができて、何ができないかを見極めているところらしい。カルメンはなにもかもこなす人だった。お料理も上手で、レシピーをみながら、なんでも作った。彼女の作るアンディーブのカラメル煮はとてもおいしかったし、私が来ると、金曜日は鯛の料理をしてくれた。
アンナは、当家の定番カートル・カール(卵・バター・砂糖・粉を同量で作るお菓子)やles oeufs au lait(プリンのようなもの)などは作っているが、メインになる料理はまだ作らないようだ。
カルメンは、40年以上働いていて、最後は年齢もあって頑固になり、代父に言わせると、好きなように働いている状態だった。アンナはまだ指示を仰いでの仕事である。
最大の違いは、洗濯だ。カルメンは「当家は2週間に1度しか洗濯機をまわしません」と、なかなか洗濯をしてくれなかった。こちらはそんなに長くいないのに、厚手のポロシャツなどは洗濯機で洗ってほしいのに、と文句をつけたくなるのだが、がんとして洗濯機をまわさない。
アンナは代父にいわせると、洗濯機になにかはいっているとすぐにまわす人だそうだ。それをきいて、飛行機の中できていたポロシャツやソックスなど、洗濯機にいれておく。
翌日の昼には、台所の干場に干されていた。しめしめである。が、この5月はフランスも天気が悪く、湿気が多かった。当家の洗濯機は、乾燥装置がついていない。いつもだったら、1日干しておけば乾くのだが、今回は湿り気が残っている。それでもアイロンをかけて、広げたまま届けてくれる。
カルメンは平日の午前8時から11時半まで働いていた。アンナは最初は平日9時から11時までの2時間だったが、住んでいるところが不便なところらしく、回数を減らして、1回の労働時間を長くしたいという申し出があったらしい。週3日で、9時から12時までの3時間となった。
フランスでは、こういう家事代行のお手伝いさんが多い。スペイン人やポルトガル人の女性が以前は多かった。家事全般となると、掃除・洗濯・料理・裁縫など、いろんな分野がはいる。そのどれをとっても、私は苦手だ。
日本では家政婦さんを頼むとかできそうだが、時間単位でお願いできるのだろうか。週に2回ほど、掃除だけでも外注できれば、ずいぶん気分が楽になりそうだが。
アンナとも最後のさよならはハグで交わした。家族の一員の地位を獲得するのもすぐだろう。
それより、40年以上働いていたお手伝いさんが交代したことが大きな変化である。これまで、もう家族とも言っていいような存在になっていたスペイン人のお手伝いさんが、今年1月初めに脳梗塞で倒れたのだ。家事のすべてを飲み込んで、彼女なしではまわらないのでは、と思うほどだったが、脳梗塞では復帰不可能である。
90歳の夫婦の家では、お手伝いさんなしではすまない。姪がすぐに後任を手配してくれたという。新しいお手伝いさんは、ガテマラ出身で、アンナという。
前任者のカルメンは、小柄で細身だったが、アンナは背も高く、太っている。カルメン2人分の大きさだと、代母は言う。もう4カ月以上になるのだが、まだ何ができて、何ができないかを見極めているところらしい。カルメンはなにもかもこなす人だった。お料理も上手で、レシピーをみながら、なんでも作った。彼女の作るアンディーブのカラメル煮はとてもおいしかったし、私が来ると、金曜日は鯛の料理をしてくれた。
アンナは、当家の定番カートル・カール(卵・バター・砂糖・粉を同量で作るお菓子)やles oeufs au lait(プリンのようなもの)などは作っているが、メインになる料理はまだ作らないようだ。
カルメンは、40年以上働いていて、最後は年齢もあって頑固になり、代父に言わせると、好きなように働いている状態だった。アンナはまだ指示を仰いでの仕事である。
最大の違いは、洗濯だ。カルメンは「当家は2週間に1度しか洗濯機をまわしません」と、なかなか洗濯をしてくれなかった。こちらはそんなに長くいないのに、厚手のポロシャツなどは洗濯機で洗ってほしいのに、と文句をつけたくなるのだが、がんとして洗濯機をまわさない。
アンナは代父にいわせると、洗濯機になにかはいっているとすぐにまわす人だそうだ。それをきいて、飛行機の中できていたポロシャツやソックスなど、洗濯機にいれておく。
翌日の昼には、台所の干場に干されていた。しめしめである。が、この5月はフランスも天気が悪く、湿気が多かった。当家の洗濯機は、乾燥装置がついていない。いつもだったら、1日干しておけば乾くのだが、今回は湿り気が残っている。それでもアイロンをかけて、広げたまま届けてくれる。
カルメンは平日の午前8時から11時半まで働いていた。アンナは最初は平日9時から11時までの2時間だったが、住んでいるところが不便なところらしく、回数を減らして、1回の労働時間を長くしたいという申し出があったらしい。週3日で、9時から12時までの3時間となった。
フランスでは、こういう家事代行のお手伝いさんが多い。スペイン人やポルトガル人の女性が以前は多かった。家事全般となると、掃除・洗濯・料理・裁縫など、いろんな分野がはいる。そのどれをとっても、私は苦手だ。
日本では家政婦さんを頼むとかできそうだが、時間単位でお願いできるのだろうか。週に2回ほど、掃除だけでも外注できれば、ずいぶん気分が楽になりそうだが。
アンナとも最後のさよならはハグで交わした。家族の一員の地位を獲得するのもすぐだろう。