記憶の誤差

3月31日の夜、旧友たちと会いました。旧友というのは、もう30年来の友人だからで、現在も友人関係にあるのですから、現友と言うべきかもしれません。ただ、会う回数が毎日とか毎週などではなく、年に2、3回になってしまったので、旧くからの友人となるわけです。

昔話も出ました。ところが、お互いの記憶に誤差があることがわかりました。小さな誤差といえる、そうたいしたことではないのですが、年齢のせいか、その話題に対する立場の相違なのか、男女の記憶能力の差なのか、そこが気になりました。

というのは、このごろ、とみに記憶力の低下、特に昔の記憶がスーッとなくなってきているのです。その現象が友人にも表れての誤差なのかな、という気もします。

先日、アメリカからメールが届きました。30年以上前の知人です。彼女はある旅行社で働いていました。私はその旅行社を利用して、中東旅行をしたのですが、帰国してからも交流が続き、わが家へもいらしていただいたり、当時は相当親しくお付き合いしていたのです。

いつしか交流も途絶えてしまいました。そしてある日、私のメールアドレスを出版社から聞いたということで、メールが届いたのです。「私のことを覚えていますか?」と書かれていたのに、すっかり記憶がなくなっていたので、「覚えていません」と答えてしまいました。

そして時間をおいて、思い出したのです。その後、もう一度メールを送りましたが、最初にあまりきっぱりと「覚えていません」と書いたので、きっと気を悪くされたのでしょう。お返事はありませんでした。
いったん思い出すと、次々に記憶は戻ったのですが、すでに遅しでした。

そういった現象が、31日の友人との会話にも出てきました。こちらが覚えていること、それを友人は覚えておらず、友人が覚えていることに、そんなことあったっけ、とこちらは記憶をとり戻すのに必死になります。

つれあいは記憶だけではない、思い込みも問題だと言います。言ったつもりが、言ったはずだと記憶のなかにインプットされている場合がこわいといいます。
認知症の始まりなのか、歳をとると、話題が昔話になるだけに、この記憶の誤差はたくさん発生しそうです。
笑ってすませられる話題だけならいいのですが。


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