コンゴの今後

先日、コンゴ・キンシャサにお住まいのシスターから長いメールをいただいた。長いのは、カトリック司教から出されたメッセージである。

シスターのメールでも触れられていたが、2011年11月にコンゴでは大統領選挙が行われた。大統領選挙は2回目で、現職のカビラ大統領が再選されたとの発表があった。しかし、選挙違反が多いことと、選挙結果も虚偽であると、野党候補も独自に当選を宣言するなど、相変わらずの混乱ぶりであった。
キンシャサ市内では、発砲事件もおきるなど、決して平穏な選挙ではなかったことが、めずらしく、日本のメディアでも報道された。

その後、何も報道がないので、結局はカビラ再選で落ち着いたものと思っていたのだが、シスターはとんでもないと現状をメイルしてくださったのだ。大統領選挙と同日、国民議会(日本の衆議院)の選挙も行われたのだが、その結果がいまだ公表されないのだそうだ。そして大統領も当選を宣言したものの、その後は姿をみせないという。
大統領不在、議会が成立せず、政府も構成されない、無政府状態にあるのだという。公務員や軍人、警察、の給料は数カ月にわたって不払いとか、サボタージュが行われているとはシスターのメールになかったが、労働意欲がないことは触れてあった。

クリスマスや大みそか、新年となれば、夜を徹して、大音声のスピーカーで音楽やらDJもどきやら、全市をあげてというほど、騒ぐものだが、今回は静かなものだったという。不穏な空気が漂っているようで、心配でならないとのことだった。
わいろや縁故主義、相変わらずで、政府の要人たちは、私財をため込んでいるとか、不正がはびこっているのだとか。そんな状態に、カトリックの大司教をはじめ宗教人たちが、声をあげたのだ。

デジャヴュの世界である。私たちがいた時とちっとも変らない。この国は、独立の時から、常にこんな状態を繰り返していたように思える。資源は、金、ダイヤ、コバルト、ウラン、銅、コルタン、天然資源でないものはないほどに豊かで、ポタンシャル(潜在能力)は無限大とまで言われているのに、この貧しさ、不安定さはどうしたことだろう。学ぶということがないのだろうか。これでは、独立後の政変は、中国の改姓革命と全く変わりがない。

どのようになっていくのか、反政府勢力といったものがあるのか、部族抗争はあるのか、外国の介入が考えられるのか、資源に対する諸外国の権利はどうなっているのか、情報不足なので、予想はつかないが、コンゴの今後が心配でならない。

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