豪華客船クルーズ

13日の金曜日、地中海クルーズの豪華客船コスタ・コンコルディアが座礁して、死者もでる事故となった。人によるとタイタニックの再現だという。

数年後に迎える結婚ウン周年に、豪華客船による世界一周なんてどう?とつれあいに言っていた。実現しないのは承知の上での問いかけである。1等客室で、ドレスコードもクリアして、なんていうことになれば、どれだけの出費になるか、わかりはしない。年金でつましく生活している人間のすることではないし、できはしない、とつれあいは現実的だ。

私もクルージングにはお金がかかることを知っている。またまた何十年も前のこと、当時、アラビア半島に住んでいた義兄が、一家で夏休みに日本へ戻る前に、エーゲ海クルージングをするという。母を誘ってくれた。九州に住む母を、東京からアテネまでどう送りだすか、安いチケットの手配も頼まれた。

一番安いのは、アエロフロートのモスクワ経由である。いろいろ検討した結果、姉は、私に同行することを求めた。費用は義兄がもってくれるという。即、休暇もとり、母とともにアテネに向かった。
ピレウス港から乗り込んだ船は、現在運航している豪華船に比べると、ふつうの客船といった感じだった。初めてのクルージングに期待感はあふれていたが、通された船室は、地下であった。窓からは海面がすぐに見える。
母だけの招待なら、上階の船室を予約できたのだが、私の分もあるので、予算上、安い部屋へ変更したのだ。

クレタ島、サントリーニ島、ミコノス島など、エーゲ海の島々に寄港する予定だった。サントリーニ島では、船着き場から急な坂道をロバにのって登っていく。ロバに乗りたくない人は、ケーブルカーがあったようだ。70歳をこえた母には無理だろうと思っていたが、頂上に先について、後ろを振り返れば、甥たちが続き、そのしんがりは母である。とても楽しかったようだ。
ミコノス島は、波が荒く、接岸できませんからパスします、と言われ、このきれいな島を母にみせたかったのに、と後年、母をつれて再訪することにもなった。

こういうエクスカーションや特別のディナー(これが2回に1回はある)、何かの催し、これらは無料ではない。けっこう高額の費用がかかるようになっている。そして最後には、楽しい航海がおできになりましたでしょうか、スタッフへの心付けをお忘れなく、とアナウンスがあり、しかるべき金額のチップを求められる。ドル(現在のレートとは違う)で払うのだが、貧乏人にはつらい金額だった。

だからたとえば10万円で売り出されたクルージングでも、あと5万円は追加せざるを得ない、と思う。地中海クルージングでは、たとえば、イスラエル、トルコ、イタリアなどのキリスト教の聖地を訪れるものとか、カリブ海のクルージングなど、魅力のあるものが多い。世界一周とはいかなくても、こういった1週間や10日間程度のクルージングには参加してみたいと、今でも思っている。

しかし、今回の事故はどういうものだろう。沿岸を運行しているだけなのに。油断なのだろう。


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