無主物の責任

新しい言葉を覚えるのは面白い。年齢が加わっても、知らない言葉というのはたくさんある。古語もそうだけれど、現代の言葉にしても、知らない言葉の多いこと!!無知・無学のゆえんとばかりではないと思う。

数日前から、新聞で「無主物の責任」という言葉を目にしている。抽象的に説明できないが、実際的な例では、今回の福島原発の事故で、放出した放射性物質のことが該当するのだそうだ。
つまり、放射性物質が飛び散って、いろんなところを汚染したのだが、その除染について、東電は責任を負わない、放射性物質はそれがくっついたところの所有物なのだそうだ。

だから、除染も各自の責任のもと、各自の負担で(国家が費用は負担するそうだが)やり、たとえば土などは、各自の所有物だから、処理もやってくださいということらしい。

放射能ではなく、1万円札などが放出されたのならどうだろう。いろんなところに散らばったお札、よろこんで処理するけれど。そんなときには、きっと拾得物として申告しなさい、さもないと、罪に問われることになりますよ、と言われそうだ。

東電は精神的慰謝料や、物的な損失に対しては補償をしているが、放射能物質については知らん顔になるということだ。除染は国が担うというのだが、またそこまでは東電の能力を超えているというのは理解できるが、「無主物の責任」という形での責任逃れというのは、どうも納得いかない。

今回の大震災、原発事故もあいまって、不可解なことも多い。メディアの報道は、ほとんどが同じようなことを扱って、他にも知りたいことがあるのに、ともどかしい。
年末に向かい、歳末助け合いも始まるが、そういえば、赤十字に集まった寄付金はきちんと配られたのだろうか。そろそろ、中間報告なども見たいものだ。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。