TPPは黒船襲来?

TPP:Trans Pacific Partnershipの交渉に参加することについて、賛成、反対の議論が沸騰している。
反対派のメインは、農業と医者らしい。賛成派は工業関係のようだ。

何がどういいのか、悪いのか、ちっともわからないのだが、市場開放になるらしい。市場開放といえば、以前保険の分野が開放されている。昔は、入院保険というのはなかった。差額ベッドというのは存在していたと思うが、お金がある人は、個室とか、2人部屋とか、差額の必要な部屋に入り、手持ちのお金で払っていたのだろう。だからお金持ちだけに許されることだった。

今や、入院保険があり、1日5000円とか1万円保障とか、銘打っている。特段お金持ちでなくても、一般の人でも、保険にはいっていれば、それなりの入院費が保険で保障されることになっている。最初は、日本の生命保険会社が生命保険の付帯条件として、入院保障をつけたりしていたが、今では、ほとんどが外資系の会社ばかりが宣伝し、おそらくは加盟率も外資系のほうが多いのではないだろうか。

このごろでは、医療保険に、癌治療のための最先端医療技術のための保険も加わっている。昔を知っている人間としては、なにか納得できない。保険にはいっているかどうかで、医療が受けられるかどうかが決められる。はいっていなくても、費用を払えるだけの財力があれば問題はないのだが。本来なら、国の社会保険、つまり健康保険で賄ってもらえるべきなのではないか、と思うのだ。

今でも医療保険に加入しているかどうか、つまり保険料が払えるかどうか、で受ける医療が変わってくるのだが、TPPに加入すると、医療部門での格差が広がるのだという。これ以上に広がるというのは、どうなるのだろう。

TPP反対を唱える人たちは、これまで、国の厚い保護を受けていた分野に属しているような気がする。農業、医者ともにそうだ。

だからといって、日本の農業がつぶれてしまうのは困る。農業地帯に住んで、野菜作りを少しやってみると、日本の集約的、手のかかる、目の届く農業が高くつくのは当然という気がする。それにアメリカの農業のように、遺伝子操作の行われた農作物が入ってくるかとおもうと、怖い気がする。

江戸末期、黒船が現れたとき、政治面でのショックはよく知られているが、産業面では、庶民の生活ではどうだったのだろう。
今回のTPP、賛成とも反対とも、意見を言えない(無知ゆえに)立場だが、国家100年の計で考えていただきたいな。

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