山の秋

今日の風は、初冬のものだった。木枯らしみたいに冷たく、紅葉する前に茶色に変色した木々の葉を散らす。先週の残暑も、山では秋の気温だった。

今年はどうかな?と思っていたが、山栗が落ち始めた。栗の木というのは、そう目立たない。だから栗の花が咲いているときと、栗が落ちて、ようやく栗の木だとわかる。大きくて、栗のイガが落ちていても、どこに栗の木があるのか、はっきりわからない。

昨年はつれあいとともに、散歩しては栗拾いにいそしみ、たくさん拾った。小さな栗を、ゆでた後、半分に切って、中身をスプーンですくうのが大変だった。その挙句、冷凍庫にはたくさんのパック詰めしたものが占領し、つい最近、ようやく使い終わったところである。

今年は拾うのはやめようね、とつれあいと言い、また体調がよくないことから、散歩にも出かけず、栗拾いはなしと思っていた。しかし、栗のイガが落ちているのを見ると、落ち着かない。
栗拾いに行かない?とつれあいを誘うが、のってこない。仕方なく、庭に出てみた。北側の庭を歩くと、茶色に光ったものがみえる。栗、それもけっこう大粒の栗だ。

わが家には栗の木はないから、隣家の木だろう。いつもは草ぼうぼうだが、今年は最近草刈をしてもらったので、落ちた栗がみえるようになったのだ。落ちてすぐの栗はぴかぴか光っているのでわかりやすい。色がくすんでいるのは、落ちて時間がたっている。大体が虫食いになっている。

早速ゆでて、おやつで食べた。ほの甘い。これで気分が落ち着いた。今年もちゃんと栗が食べられた。

あとはキノコだが、キノコは毒キノコがあったり、放射能物質を吸収していたり、問題が多い。つれあいは、毒をもられるといって、採取したキノコは絶対食べない(よほど信用していないとみえる)。せっかくの山の幸なのに、と残念だが、私も虫食いの多いキノコは苦手だ。

北側の庭には、赤松も数本あるので、その根っこの辺を注意深く見ているが、マツタケはみつからない。
これでマツタケでもできれば、山の秋は完ぺきなのに。

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