ユーロの将来

ユーロが安い。1ユーロが105円とか106円とかになっている。わが家には1000ユーロほどの現金がある。昨年フランスへ旅行したとき、日本でユーロにかえた。1ユーロ118円ほどで換えたので、1万2000円ほどの為替損になる。

一時期、ユーロは140円に近い値になって、その当時、フランスへ行くと、なにもかもが高く感じたものだった。今、旅行のチャンスと思うけれど、いろいろ事情があって、出かけるわけにはいかない。

ユーロが安いわけは、ギリシャやイタリア、スペインなどのユーロ加盟国の中の財政不安にあるという。ギリシャは特に、国家破産の寸前だという。

ユーロは2002年に欧州連合加盟国のうちの12カ国で適用された。私は1994年から1997年まで、フランスに住んでいたが、準備期間で、フランとユーロが併記されていたが、まだフランを使っていた。その後、アフリカに移住し、ときどきフランスに行ったけれど、まだフランだったから、従来通りの金銭感覚で通じていた。

ところが2000年に日本に帰り、2002年以降にフランスへ行くと、ユーロに変わっている。数字に弱く、暗算ができないので、1ユーロ=6,55957フランの交換率なのに、1ユーロ=10フランで計算せざるを得ず、やけに物価が上昇したという印象をもってしまった。高額なものはそれなりに計算するのだが、1ユーロに満たない、たとえばバゲットなど、フランになおせば、どうなるのか、瞬時にわからず、1ユーロを出しては、おつりのコインで、財布はふくれるばかりだった。

それまで、フランスからイタリア、スペインなどへ出かけると、それぞれの国のお金に交換せざるを得ず、不便といえば不便だったので、ユーロだけですむというのは一面便利に感じた。
とはいえ、違和感は残った。たとえば、イタリアに行った時、以前は非常に物価が安く感じたものだ。リラの額だけは大きいけれど、日本円になおせば安いと、優越感も感じたものだった。

ところがユーロになると、フランスやドイツ並みの物価に相当する。経済や金融の制度に詳しくないが、経済力に差があって、給与などは低いはずなのに、こんなに物価が高くて暮らしていけるものかと疑問に感じた。

経済力に大きな差がある国々が、EUという共同体を作り、単一通貨(EU加盟国全部ではないが)にするというのは、一つの理想的な姿であるとうらやましく思いながら、実行可能なのかと疑いもしていた。しかしどうにか運用されているし、一時期のユーロ高を経験して、成功しているものと思っていた。

ある経済学者は、ギリシャがユーロ圏から離脱するか、あるいはドイツが離脱するか、どちらかでしょうね、という論を述べられていたが、ギリシャのみならず、スペイン、イタリアも破たんするとなると、ユーロは崩壊するのだろうか。

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