閣僚の発言

このたび、鉢呂経済産業大臣が、不適切発言で引責辞任をなさった。その発言とは、福島第一原発周辺自治体を「死のまち」と表現し、東京に戻って、記者団に袖口をこすりつけて「放射能をつけちゃうぞ」と言ったとか、そんな内容だ。

浪江町から避難している知人がいる。先日、一時帰宅で戻ってきたそうだ。そのお話を聞くと、人っけがなく、じぶんたちが動いているだけかと思うと、奇妙だということだった。音がないそうだ。人間がいないから、生活の音がしない。

もしかしたら、私もそこへ見学にいけば、「無人のまち」というかわりに「死のまち」と表現してしまうかもしれない。鉢呂大臣にしても、きっとみて、思った通りに言われたのだろう。発言を聞いた時、やっぱりそうなのだろうな、と思った。

福島の方々へはきっと禁句だったのだろう。自覚していて、あまりずばりと言われると、とても傷つく。その一例ではないかと思う。大臣として言ってはならない表現だった。
ある評論家は、最初から、福島の方々へ、「お気持ちを傷つけて申し訳ありませんでした」と言えばいいものを、「ご迷惑をおかけした」となんだか、無責任な表現で言ったこと、それにマスコミが政局にしてしまったのが悪いと言っていた。
政治家はことばも商売用品なのだから、もっと気をつけていくべき1例だ。

そのほか、閣僚の発言で問題視されているものに、小宮山厚労相の「たばこ700円」発言、一川防衛相の「安全保障の素人だが、それが本当のシビリアンコントロールだ」発言などがある。私にとっては、一川防衛相の発言がとても気になる。素人が防衛相になっていいものだろうか。あるいは、素人がコントロールすることを、シビリアンコントロールと短絡的に考えている人が大臣でいいものだろうか、と疑問に思っている。

少なくとも、大臣に任命する前に、基礎知識あるいは、北朝鮮、韓国、中国、ロシア、これらの国々と起こりうる問題についての知識、プラス、問題発生の時、どういう態度を日本はとるべきと考えているか、など問うて、その答えや考えが首相と一致する人を任命してほしいものだ。

玄葉外相の「踏まれても蹴られても」発言も、沖縄の人に失礼だと思う。玄葉氏には期待していただけに、最初の躓きが残念でもある。

適材適所というこの適ということばは、適当の適であったと痛感している。


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