円高メリット

歴史的円高という1ドル76円台が続いている。1ドル360円、しかも海外へ出かけるとき、1000ドルまでという制約があった時代を知っている身には、嘘みたいな値である。

報道では、円高は経済に悪影響を及ぼすと、否定的な現象としてとらえられている。従事していたのは第三次産業だったので、円高というのがピンとこない。外国の企業で働いていたとき、安給料にも関わらず、円高になったとき、本国なら部長クラスの給料だと言われたことがある。換算するとまさしく高給取りであった。

田舎暮らしを始めると、このような国際的な動きにうとくなる。円高といわれても、ガソリンが一挙に安くなるわけでもなし、ルイ・ビュトンのハンドバッグを買うわけでもなし、シャネルやディオールの化粧品も売っているところがない。

今年は恒例の5月のフランス行きを断念して、これまで海外に行きそびれたので、今こそチャンスとは思えども、諸般の事情が許さない。

金の価格が上昇していて、使わない金のアクセサリーを売る人が多いそうだ。私もいくらかもっている。田舎暮らしで、農作業にはアクセサリーはいらない。満艦飾に着飾って出かける場所もない。それになによりも金のネックレスなどすると、肩が凝ってくる。

姉が中東に住んでいた時、金製品をお土産にくれた。ネックレスや指輪などだ。30代、40代、50代まではよく使用した。出かける機会も多かったからだ。中東では、金製品が、加工されたものでも、金の重さだけで価格が決まるという。

今、買い取りでもそのやり方らしい。カラット数で価格が決まっているという。さあ、売りにいきましょうか、とつれあいに相談した。しかし、東京まで出かける必要がある。その費用を考えると、金を売っても、たいした収入にはなるまい、とつれあいは冷淡だ。

そうして、使わない金のアクセサリーは、タンスのこやしとなっている。小金を得ても、円高メリットもない田舎、動かないのが一番だ。

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