馬淵氏のあいさつ

民主党代表選も終わって、野田氏が新代表に選ばれた。代表選の日、出かけていたので、各代表候補のスピーチは車を運転しながら聞いていたのだが、馬淵氏のスピーチにはびっくりした。

政治に興味を持ったのは、田中角栄の自民党総裁選出の様子を見てからだという。受け持ちの先生が、政治に関心があり、授業を中断して、テレビをつけ、総裁選を見せてくれたのだそうだ。

それから、日本列島改造論や、田中角栄が立法にかかわった法律がどれだけあって、その法律や議事録に全部目を通したなど、話の前半で、田中角栄の名前が何度でたことだろう。

えっ、もしかして、民主党の代表選じゃなくて、自民党総裁選なの?と思うほど、田中角栄の名前の連呼だった。角栄に影響されたというなら、どうして自民党に入らなかったの?と疑問に思った。

それとも、田中直系といわれた小沢氏のご機嫌取りのために、間接的な表現をするという高等戦術なのかしら、あるいは田中角栄の娘、田中真紀子氏の1票がほしくてのことなのかしら、といぶかしむ。

結局、馬淵氏は24票しか得られず、決選投票には残れなかった。彼のスピーチで、彼に投票しようと決めた人がいるかどうかは知らない。
田中角栄の評価は、いろいろある。私のような、一般人と政治家の下す評価は違うだろう。私は日本列島改造論で、日本の景観が破壊されたこと、またお金万能の時代になってしまったこと、つまり品格というものがなくなって、全ての価値基準をお金においたことは、田中角栄のせいだと思っている。

だからそんなに彼を評価していない。そこに最大限の評価をささげる馬淵氏のスピーチを聞いて、違和感を感じた。きっと正直な人なのだろうが、時代を読んでいないのではないかと思ったのだ。

彼が国交省を去る時、I'll be backと言ったのも、国交省のもつ権限が、田中角栄に直結するものだからなのか、とまで思ってしまった。

馬淵氏のはっきりしたもの言いは、きらいではないのだが、今回の代表選で少しがっかりしたのも事実である。

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