梅干しの土用干し

去年に引き続き、梅干しを漬けている。昨年、生まれて初めて、梅干しを漬けてみた。しょっぱい昔風の梅干しができた。

つれあいは夏に塩をなめるほど、汗をかいたら塩が必要というくせに、しょっぱい梅干しは食べてくれない。ちょっと甘めの紀州南高梅がお好みだ。だから、昨年漬けた2キロほどの梅干しを食べたのは私だけだ。

昔風に漬けた梅干しは、このごろ、評判がよくないらしい。私も昨年、自分で漬けるまでは、紀州からのお取り寄せだった。自分でつけると、それを消費しなければならない。1粒を1回では食べきれないほどのしょっぱさと酸っぱさだった。

それでも食べ進むうちに、それでなくては食べた気がしなくなり、いつの間にか食べあげていた。そして今年も、ご近所の友人のたすけもかりて、新たに漬けている。梅干しだけではない。その過程にできる梅酢、それに赤シソで作るゆかりのおいしいこと。これがほしくて漬けているようなものだ。

今日は土用干しをした。平たい丸型のおおきいざるを用意する。昨年買ったものだ。使う前に洗って消毒しなくちゃね、と先輩の友人が教えてくれる。消毒って、消毒薬で?とんでもない、焼酎がいいのよ、とのこと。残念ながら、焼酎は梅酒に使ってしまった。そんなことなら、ちょっとだけでも残しておいたのに、と言うと、届けてくださる。

今日は、湿度も低く、太陽がすっきり射してきた。最高の干し日和だ。ざるに梅を行儀よくならべ、そのまわりに絞った赤しそをひろげていく。梅の香りがすっきりして、気分もよくなる。

日本人にとって、梅干しというのは食品であると同時に万能薬でもある。衛生条件のよくないアフリカで生活していたときも、最後のたよりは梅干しだった。体調が悪ければ、おかゆに梅干し1個、これが定番だ。

ベテランの主婦などにとっては、なんということのない仕事かもしれないが、それなりに手間をかけつつ、神聖な梅干しを作っている心境だ。これが放射能に効くなんてうわさがでれば、自家製梅干し、貴重品になるよ、と思いながら、1日目の干し作業を終了。これを3日間は続けるのだそうだ。

日本人にとっての梅干しと同等の価値をもつ食品、各国の人々は何をもっているのだろう。

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