7月14日

7月14日はフランスにとって特別な日だ。国家記念日である。その由来はフランス革命勃発の日であることはよく知られている。

フランス語ではLe Quatorze Juillet(7月14日)、英語ではBastille Day、日本では「パリ祭」などと呼ばれるが、日本で、フランス並みにお祝いをするのが、とても奇妙な感じを与える。

若いころ、権威というものがきらいで、その真の意味も知らず、アナーキストと自称していた。民衆が革命を起こして、王制を倒したフランスの歴史に魅せられた。あとで民衆革命ではなく、ブルジョワ革命であることを知ったが。

だから私にとっても7月14日は特別な日になっていた。一度、パリで7月14日を迎えたことがある。いさんで、シャンゼリゼ大通りで行われるパレードをみにいった。泊まっていたフランス人の家族はヴァカンスで出かけ、私は一人きりだった。情報をとることもせず、地下鉄のいつも使っている1号線がシャンゼリゼに沿って走っているから、その線のどこかの駅で降りれば、すぐに通りに出られるものと思っていた。

ところが、1号線のシャンゼリゼに出られる駅はすべて閉鎖されていたのだ。大群衆の混乱を考えると当然のことなのだが。思いがいたらなかった。遠い駅からシャンゼリゼを目指したが、もう大群衆で、行進を見ることもできなかった。

パレードはテレビでみれば十分よ、とフランス人は言う。観光客用というわけだ。それに毎年のことで、見あきていることもある。毎年、なにかしらの新味が加えられるけれど。

大学の卒論に、フランス革命を選び、それ以降もフランスにかかわってきて、革命すなわち民衆の救済でないことはわかった。1789年の革命から222年目、フランスの政治体制も万全ではない。第五共和政から第六へ移行したほうがいいのでは?という説もある。矛盾だらけの体制だ。

しかし、7月14日の軍隊や警察のパレード、街角のダンスパーティ、花火、このお祭りを思うと、まだ血が騒ぐ。

在日フランス大使館は、今年の国家記念日のレセプシオンを、福島県の郡山で行うとか、どんな次第になっているのやら。

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