メーデー

明日5月1日はメーデーだ。労働者の祭典である。社会主義国では国家の休日になっている。フランスは社会主義国ではないけれど、やっぱり国家の休日だ。

フランスの機関で働いていたころ、年間の祝祭日は、日本とフランスのものを合体し、選んでいた。クリスマスや復活祭、7月14日の国家記念日など、日本では休日でないものが選ばれると、世間一般が働いている日に休みと、ちょっと優越感(ばかげているが)を感じたものだった。

そんな中に5月1日はあった。この日を休めると、年によってはとても長いGWになったりした。が、そういいことばかりではなく、5月1日は休みだけれど、子供の日や5月4日は休みにならないということもあり、世間が休んでいるのに、こちらは普通どおりに働くこともあった。

フランスでは大掛かりな労働者のデモなどがあり、労働者の祭典というのがよくわかる。日本では東京・日比谷公園での労働組合の集会が最大のものだが、以前、経団連に働く友人が、この集会に参加していた。経団連といえば、経営者団体連合、経営者の集まりだ。しかし、経団連で働く人は別に経営者ではない。だから労働組合があるのだそうだ。

通常は経営者サイドにたったような言動をしている友人が、この日だけは、賃上げや労働条件の改善など、口角に唾を飛ばして、アジっていた。違和感があったけれど、労働者には間違いなかった。

フランスでは5月1日は、全く別の意味をもつ日でもある。「スズランの日」という。家族や友人、恋人、愛する人にスズランの花を贈る習慣がある。スズランの花ことばは「幸福」なのだ。この日は、街角いたるところにスズランの鉢植えをおいたスタンドが出現する。ライセンスがなくても花を売っていいのだそうだ。

昔は子供たちが森の中で、野生のスズランを探してきては、街中で売るといった素朴なものだったらしいが、だんだん商業化して、栽培元から仕入れて売っているようだ。数株だけの小さな鉢から、密集させたような大きな鉢、あるいは切り花として、いろんな形で売っている。

スズランは香水にも使われるように、清楚な香りがする。恋人から贈られたら、どんなにうれいしいことだろう。
しかし、スズランには毒もあるようだ。切り花をコップにさしていたら、そのことを注意されたことがある。

我が家の庭のスズランはまだ芽もみえない。1月以上遅いので、だれかにプレゼントしようと思っても、タイミングがずれて、様にならない。

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