行儀のいい日本人

引退した、田舎住まいの老人は、計画停電も、十分克服可能である。しかし、この交通混乱にあって、なんと日本人は行儀がいいのだろう。

今日は交通手段が混乱した。鉄道各線は運休やら、路線短縮運転やら、各駅停車のみとか、もうヴァラエティ豊かである。テレビのテロップをみていても、追いつかない。

その変則ダイヤも、今朝、始発と同じころに決められたとか。すべては東京電力の計画停電スケジュール次第だからである。

閉められた駅のシャッター、通れない改札口、少ない駅員に問い合わせをする姿、おとなしい。あきらめなのか、すぐに引き下がっている。駅員に文句をつけても仕方ないことを承知しているのだろう。

今日、ホームセンターへ行った。昨年、調理器具をガスから電気に変えたため、計画停電で調理ができなくなる可能性があるからだ。ガスボンベを買いたかった。まず、駐車場へ入るのが一苦労だ。といってもけっこうすんなりはいったのだが、止めるスペースがない場合、運転席に残って移動できるよう、つれあいだけが店に入る。

ほんの1分で戻ってきた。ガスボンベはなく、レジのところは長蛇の列で、店員に聞き合わせもできないという。
1日中停電というわけではないし、ボンベがなくても生活はできるから、と購入をあきらめて駐車場を出た。

ボンベを買おうというのはわかるけれど、トイレットペーパーを買いだめするのはなぜだ?とつれあいは疑問を呈する。私にきかれてもわからない。オイルショックの時もそうだったじゃない、というと、その時の因果関係もわからなかったという。

生活必需品が欠乏するかもしれないでしょう?と言うと、東京が地震でつぶれたわけじゃないのに、と反論する。そうなのだ。灯油やガソリンが欠乏するというのは、中東の不安定なゆえに輸入が減ったり、この地震で貯蔵タンクが焼失したこともあって、理解可能なのだが、トイレットペーパーに結びつく理由がわからない。
でも売り場になければ、困る品である。それでも買い物も整然としているし、略奪、打ちこわしなど起きない。

これが日本、と誇らしい気持ちにもなる。しかし、長引けばどうなるのか。新たなパニックの素因が生まれれば、いつまでも秩序よく行動できるのだろうか。
新たなパニックの素因には、原発の事故もあげられる。福島第一原発の1号、3号基に続いて2号基も危機的状態らしい。フランスからも心配して、逃げてこいと言われている。逃げる手段があれば、逃げたいな。

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