様変わりした国家元首

第一回投票で、フランスの大統領候補は、現職サルコジ氏と挑戦者オランド氏の2人に絞られた。その二人をみていて、大統領職、つまりは国家元首の座につこうという人が、とても現代風になったことに気付いた。

それは、あのいかめしいド・ゴール時代には考えられない現象だ。ド・ゴール、その次のポンピドゥー、ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラク、と代替わりとともに、少しずつ変化はあった。それは配偶者についてである。
ジスカールあたりからだろうか。しかし、彼の浮気は有名でも、世間的には夫人がファーストレディとしての役割をきちんと果たしていた。

ミッテランは違った。ダニエル夫人は、彼女の活動を続け、時には、その活動が、夫の外交政策とは反することもあった。またミッテランは、愛人とその間の子(娘)をエリゼ宮に住まわせていた。公的なプレザンスはダニエル夫人であったが、夫人との間が断絶していることは、周知の事実であった。シラクもまた浮気の多さで有名だった。が、ベルナデット夫人の存在は大きかった。

しかし、サルコジ氏は大統領に選出されたとき、再婚同士で、セシル夫人には前婚で娘2人、サルコジ氏は前婚で男の子2人がいた。そして二人の間に男の子が生まれていた。いわゆるfamille recomposee(ステップ・ファミリー)である。全員がエリゼ宮に住んだらしい。といっても、それはつかの間で、セシル夫人はほどなく、サルコジ氏のもとを去り、この家族は崩壊した。
そのあと、サルコジ氏は、現夫人カルラ・ブルーニと結婚、昨年10月、二人の間には娘が誕生した。カルラ夫人も再婚であり、前の結婚で子どもがいる。このカップルもステップ・ファミリーである。

そしてオランド氏、彼は長くセゴレーヌ・ロワイヤル女史と事実婚の生活をしていた。そして2男2女の子どもをなしたことはよく知られている。5年前の大統領選挙では、セゴレーヌが社会党の候補となり、オランド氏は応援の立場にあった。そのころに二人の仲は終わったことが報じられていた。
現在、優勢な立場にあるオランド氏のそばには、ジャーナリストの女性が常に付き添っている。パリマッチ誌の記者であるValerie Trierweilerだが、彼女は3児の母である。

彼女は、オランド氏当選の暁には、エリゼで同棲生活をするつもりだが、記者をやめる気持ちはない、自分の子どもの生活費は自分の収入で賄う、オランド氏にも国家にも負担をかける気はない、子どもたちはエリゼにはすまないだろう、などと述べているようだ。

もし、オランド氏が当選すると、ファースト・レディは不在となるのか、公式ではないが、事実としてヴァレリー夫人となるのだろうか。
事実婚にステップ・ファミリー、現在の世相そのもののフランス大統領選挙である。


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