フェルメール展を見る

1カ月ぶりに一人上京した。土曜日に孫のように可愛がっている子どものヴァイオリン演奏があるというので、上京したのだ。
エコール・ジェラール・プーレというフランス人のヴァイオリニストが、数人の子どもを選抜して、個人教授をしている。その卒業演奏会にあたる。一番小さい2003年生まれというのが、私が可愛がっている子どもで、最年長でも1994年生まれだから17歳である。
子どもでも自分の音を持っており、テクニックはもちろんのこと、大人顔負けの演奏をしていた。

そして今日は、東急本店内にある文化村のミューゼアムで、時の話題「フェルメールからのラブレター展」に行った。人ごみがきらいで、日本では展覧会などにはいかないことにしている。しかし、人に会う約束をしたのが東急本店、そして2時間も余裕があった。これは展覧会をみなさいと言っているに等しい。

フェルメールの作品は3点だけである。「手紙を書く女」、「手紙を読む青衣の女」、それに「手紙を書く女と召使」である。1663年から1670年にかけての作品だが、手紙ということに気持ちがひかれたことがある。当時、手紙というのは、唯一の通信手段だっただろう。紙も大量生産ではなかったはずだ。手紙を書くというのは、今でも文章がでなくて書けないでいるが、当時の教育程度で、手紙を書ける、手紙のやりとりをする、というのは経済的にも恵まれた階層のはずだ。

相変わらずフェルメールブルーは美しい。パキスタンあたりで産出されるラピスラズリをけずって色を出すというこの色は、当時はとても高価な色彩だったらしい。淡いそれでいて深みのあるブルー、ひきいられてしまう。それに手紙を読む青衣の女の、リボンや袖口の黄色がとてもすばらしいアクセントになっている。

しかし、展覧会で絵をみるのが、少し苦痛になってきた。人が多いこともあるが、離れてみるのに、目の焦点があわなくなってきている。絵をみて、タイトルと説明文を読もうとすると、焦点がくるってしまう。

やっぱり人の多さが障害だ。パリのオルセー美術館も、観光客が多く訪れるけれど、好きな絵の前で独占状態で見ることも可能な程度の人の多さである。

今回の上京は、一つには特殊な音楽会、そしてフェルメールと文化・芸術に満ち溢れたものとなった。そして発見、久しぶりに行った東急本店の7階は、全フロアー本で埋まっていた。なんという楽園だろう。
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