日本型ポピュリズム

昨日、8時くらいには、もう大阪の知事・市長同時選挙の当選確実がでていた。知事は松井氏、市長が橋下氏である。
維新の会という組織はあるもの、自民党、民主党といった既存政党とは関係なく、民意がでたという点では、ポピュリズムの結果である。

ポピュリズムは、人気のある人物が、政治権力を握り、民主主義の決まりを無視して、強引に政治を動かすことに結びつくので、ある意味、危険である。
もっとも典型的な例では、ドイツのヒトラーがあげられる。人気が最高潮に達したところで、制度を変え、権力を集中させて、あとは思いのままにしていく手法だ。
フランスのナポレオンも同じだ。国民選挙で皇帝に選出され、それを子孫に継承させるという決定を、元老院にさせている。現実には、1代限りで終わったけれど。

アフリカなどでは、人気というより、軍事力で大統領の地位に就き、憲法を改正しては、終身の地位にしてしまう例もたくさんある。

今回の大阪について、関係のない県に住んでいるので、外野として、無責任にみていた。そして橋下氏の大阪都構想に、内容は詳しくわからないまま、そのドラスティックなやりかたに賛成していた。なぜなら、現在の地方自治、自治と呼べるかどうかも疑問だし、弊害がいろいろ言われる中で、改革をするなら、少しはドラスティックにいかなければ、それが成就しないと信じているからである。

橋下氏のやり方が、独断専行とか、独裁とか批判している人もいるが、日本で独裁は不可能だ。議会が邪魔をする。邪魔といっては気の毒かもしれないが、利害が反する場合、彼らは既存の制度を維持することに傾くのは当然かもしれない。橋下氏は、議会解散などの方法も辞さないらしいが、そこには、また選挙という民意がある。
この民意が地滑り的に橋下氏の応援をするのか、ブレーキとして作用するか、それはやってみなければわからない。またこれは地方自治体のレヴェルなので、国の法律という枠もある。

それより、今年の大震災で、東京も機能マヒに陥る寸前だった。もし、東京直下型地震がおきたら、首都としてやっていけるのか、第二首都を用意しておくべきではないか、と思う。それには、規模からいっても、位置からいっても大阪は適格だと思う。だから、彼のいうように、都とすることが、それにかなうかどうかはわからないが、都という自治体にして、第二首都として整備していくのはどうなのだろうか。

またポピュリズムに戻るが、日本全体でいえば、小泉元首相、石原都知事などが、相応の国民的人気を得た時期もあったけれど、首相公選制度ではない日本では、まず無理な話である。あまりに国民的人気がある人に対してちょっとななめに構える私は、そういう意味で安心している。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。