蝉しぐれ

今朝、つれあいが蝉の脱皮をみたという。あいにく、カメラはもっていなかったので、写真にとることができなかったそうだ。

テレビなどで、この夏、蝉をみかけないという報道があった。しかし、5-6月にかけて、蝉の鳴き声のようなものが日中聞こえていたが、あれはなんだったろう。梅雨寒のころから全くきこえなくなったが。

その一方で、鶯がまだ「ホーホケキョ」とさえずっている。毎朝、4時ごろに甲高い音で、「ホーホケキョ」とさえずっては、我々に早起きをせかしている。4月に初音を聞いたと喜んで早4ヶ月、いつ頃までこのさえずりは聞けるのだろう。

「蝉しぐれ」はフランス語でなんと言いますか?とフランス人の友人に聞いたことがある。もう20年以上も前、夏の暑い午後、職場で蝉しぐれを聞きながら、コーヒータイムを楽しんでいた時だ。木々が多く、公園の中にあるような職場だったので、窓をあけると、それはそれは蝉がうるさかった。

「蝉しぐれ」とは?と聞いてくる。このうるさい鳴き声の集合体のことよ、と言うと、フランスでは蝉の鳴き声はうるさいだけで、「蝉しぐれ」といった詩的な表現はないと思うよ、とのことだった。

鳴き声はうるさいかもしれないが、蝉自体は嫌われ者ではない。南仏では、蝉は、すくなくとも陶器の蝉は、幸運をもたらすものだ。南仏の家では、入り口に近い外壁に、よく陶製の蝉が飾ってある。これは不幸を退け、幸福を招くためとのことだった。南仏のお土産屋さんには、陶製の蝉がよく売っている。

南仏に住んでいた時、早速、家の壁に飾ったし、日本に帰国するときも、その陶製の蝉は大事に持ち帰り、今でも飾っている。この蝉のおかげか、さしたる不幸もない。

蝉はその蝉生を、7年間の地中生活と、7日間の地表生活で終わるという。7年間も暗い地中ですごし、ようやく明るい地表にでて、7日間で生命を終えるというのは、とてもかわいそうというのが、一般の評価だ。でも、7年間も静かに生きていられる。地表での7日間は、「終末期」で、最後のあがきでうるさく鳴いているのよ、と言うと、自称「終末高齢者」のつれあいは、これからミーンミーンと鳴くことにしよう、とのたまわっている。


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