ハーグ条約

5月21日付の朝日新聞によると、菅内閣は20日の閣議で、ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)に加盟を了承したということである。

この条約は1980年に採択され、83年に発効しており、現在では84カ国が加盟しているそうだ。どんな条約なのかといえば、国際離婚になった場合、片方の親が勝手に子を連れ去ることで、もう一方の親と会えなくなったり、生活環境が大きく変わるといった子の不利益を防ぐための取り決めだ。

これまでも、アメリカやフランスの政府がきびしく日本政府に加盟を要求していた。しかし、日本では賛否が拮抗し、国際結婚の破たんがDVがらみのことが多いため、加盟に対し、積極的な動きがなかったのだ。

グローバル化を考えれば、ハーグ条約加盟は必須であるが、これには国内法の整備も必要になる。たとえば親権:日本では離婚すれば、片方の親だけが親権をもつ単独親権であるが、欧米各国ではほとんどが共同親権となっている。

今回の菅内閣の決定は、どうも「外交カード」色が強い。月末のサミット、議長国はフランスだ。フランスはこの問題について、何度も申し入れをしている。またアメリカについても同様だ。

家族問題ですら、グローバル化を避けられない。日本人がもっている「子供は親の所有物」観、「ひどい配偶者だから、ひどい親」と言っては、親権をとった親が面会交流を拒否する論理、これらは世界では通用しない。

しかし、今回の決定は、はたして時宜を得たものか、ちょっと懸念がある。サミット参加のお土産的な感じがするのだ。原発問題で、各国に引け目をもつ日本、なにか得点になるものを、と探した結果、この条約加盟がでてきたようだ。

TPPと同様、論争が生まれるだろう。
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