小さな自粛

わが村では毎年4月29日に「安市」という市がたつ。村のメインストリート(商店街でもなく、大通りでもない)を交通遮断して、屋台の店(焼きそば、たこ焼き、クレープ、綿菓子、金魚すくい、他いろいろ)が立ち並び、農機具の店、野菜の苗や野菜そのものを売る店、温泉のホテルのパン、バザーのように、古着や小物を売るところもある。

数百メートルしかないが、端から端まで歩いて、片道は下見だ。同種の店があれば、どっちの品がよくて安いか、冷やかしながらマーケットリサーチをする。JAの前では、婦人部の人たちが、手作りのおこわを売っている。山菜おこわと赤飯を昼ごはん用に買う。ついでにイチゴや手作り製品も購入する。

村役場の環境部は、最低100円を寄付すると、苗木を1本配っている。毎年、種類が違って、我が家にはこの数年の苗木が育っている。ヒメウツギ、ロウバイ、コデマリ、など、この市でいただいた(買った)苗木だ。

毎年の検討課題は、サクランボの苗を買うかどうかだ。昨年も結局、翌年まわしということで買わなかった。今年こそと思っていた。

ところが、この安市は、今年中止というお知らせがはいった。理由はわからない。開催費用を東日本大震災に寄付するのか、あるいは市といった催しが、時節にあわないと判断したのか、説明はない。

がっかりした。本当に素朴な市で、派手な音曲をならすわけでもないのに(村の和太鼓演奏はあるが)、なんで中止してしまうのだろう。ちょっとしたGWオープニングの楽しみだったのに。

とはいいつつ、自粛を自粛せよという経済評論家のお説にはどうも納得できない。普通の生活をというのはわかるが、もう普通の生活をほとんどの人はしている。観光地にいかないのは、それが普通ではなく、エキストラのこと、贅沢に属する部分だったからだ。

普通に買い物を、と言われるが、たとえば、小さな子供に我慢を教えるいい機会なのでは、と思うのだ。子供が欲するままに、袋菓子やペットボトルの飲料を買ってやっていたものを、地震で被災した人たちのために我慢しましょうね、と言えば、子供もそれを受け入れるときだ。そして、暑くなったとき、これも被災者の方たちのためにちょっと暑いのは我慢ね、と言える。

旅行も行きたい人、行ける人は行けばいい。私も行きたいが、つれあいが慎重派だ。余震や、交通機関の状況、心配ばかりしている。なんせ、わがJR吾妻線など3週間も不通だった実績がある。広告などで、豪華なお料理付きで、通常価格の半額なんていうのを見ると、行きたくなってうずうずだ。

しかし、不透明な世の中、預貯金にも励まざるを得ないし、そろそろ野外の作業(畑や庭)が始まる。遊んでなんていられない。

それにしても経済評論家の方たちは、きっとお気楽な階級に属していらっしゃるのだろう、と思っている。いつもお金を使え、使えとおっしゃっている。
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