サルコジ仏大統領の訪日

1昨日(3月31日)、フランスのサルコジ大統領が訪日した。東日本大震災が起きてから、初めての外国首脳の訪日である。G8、G20の議長国であることから、訪日直前は中国での日程があり、それを終えての訪日である。午後4時に羽田に到着し、たった4時間の滞日であった。

5時から菅総理と会談、5時46分から共同記者会見があり、テレビでも放送された。原発に対して、その存続に自信のない菅総理に対し、サルコジ大統領は、「CO2削減をするために、原子力をおいて、他のエネルギー源はない」といった論調で、確固たる信念をみせた。発電量の80パーセントを原子力に頼るフランスの大統領として、他に言いようがないのかもしれない。

その夜のテレビのニュース番組で、フランス大使公邸でのレセプシオンの場面もあった。在日フランス人を対象としており、このレセプシオンへの招待はメールで行われたそうである。以下、ヤフーフランスでみた、在日フランス人の投稿によるが、レセプシオンは15時30分より行われる。公邸には14時から15時の間に参集すること、身分証明書、そしてお知らせのEメイルのコピーを持参すること、ということであったそうである。

また大使館にはこの特別の出費を賄う余裕もないので、飲食は供されないという注意書きもあったとか。平日の午後の時間であるにも関わらず、大勢のフランス人が出席したそうだ。いずれも、放射性物質の危険や余震の不安にも耐えて、日本残留をしている奇特なフランス人たちである。

サルコジが何を言うか、関心は高かったが、たいした内容はなかった、とこのフランス人は言っている。5月中には、原発の安全に関する国際基準をきめるための会議を招集したい、ということ、また論争や早急な選択をするときではない、といったこと、論調はむしろ、フランスにいるフランス人を対象としているみたいだったそうだ。

そうしてみると、16時ころに羽田着、16時半、フランス大使公邸レセプシオン、17時菅総理と会談、17時46分共同記者会見、そのあとの時間はフォローできないが、20時には日本を離れたことになる。異例の訪日だ。夕食会などをする余裕がないだろうから、というので、その夜のうちの出発にしたのだそうだ。

うがってみれば、日本の食品を口にしたくなかったのかもしれない。レセプシオンでは、結局、ワインとプティ・フール(一口で食べられるカナッペのようなもの)が出されたそうだ。これはAir Sarko One(大統領専用機、エアー・フォース・ワンになぞらえて)でもってきたものらしい。

この訪日には後日談がある。帰国の途の機中で、同行記者団に対し、「ムシュー・カンには原子力をあきらめるなとはっぱをかけたけどね、僕もフクシマの悲劇をみて、考えを変えつつあるんだ。風力発電の促進だよ。アイディアがあるんだ。これから、フランスの家庭は、一家に一台の風力発電機を備えることにするんだ。自動車保険のシステムを使って、備えた家庭にはボーナスを、備えない家庭は罰金をとるんだよ」と言ったそうだ。

おわかりのように、最後の発言は、4月1日(Poisson d'Avril)である。これは、イギリスのウィリアム王子との結婚をケイト嬢がやめる決心をしたという話よりは面白みがないが、それなりに面白いと思った。
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