フランスの内閣改造

とうとうMAM(ミシェル・アリオ=マリーの略)が外務大臣の職を辞めさせられた。フィヨン首相は、その理由を彼女が失策をしたわけではなく、政治的理由だと説明している。

昨年12月末、政治的に混乱していたチュニジアで、男友達であるパトリック・オリエ氏(国会担当大臣)と一緒にすごしたのだが、失脚したベン・アリ大統領の親族から便宜供与をうけていたことが判明し、非難されていた。

外相として、チュニジアの政治状況をきちんと把握していなかったこと、贈賄にも受け取られる便宜供与を受けていたこと、など、辞職に相当する行動だったと思われる。

しかし、フィヨン首相も、エジプトでムバラク大統領、もしくはその政府の接待を受けていたのだ。だからこそ、すぐに辞職とはならなかった。

政治的理由というのは、来年の大統領選挙のためのシフトをしくことと、現在の流動的な国際情勢に対応するのに、MAMでは不足だというのだろう。後任は、元首相であり、外相も経験済みのアラン・ジュッペ氏である。

この人事には、私はちょっとがっかりである。MAMのチュニジアでのことは、非難されて当然と思うのだが、彼女の経歴から、期待すること大であったのだ。

かいつまんで書いてみると、1970年代に父親の代理として国民議会に議席を得、1986年に彼女自身として選出され、それ以来5回当選、12年の議員生活を送っている。

大臣としての経歴もすごい。1986年に教育担当、1993年には青少年・スポーツ大臣、2002年には国防大臣、2007年は内務大臣、2009年には副総理格で、国務大臣・国璽尚書・法務・自由大臣を経て、2010年、外務大臣となっている。この経歴からみて、国防や内務、法務に外務と、重要なポストを歴任して、残るは首相か大統領のポストしかないではないか、と言いたくなる。

これで政治の場から消えるわけではないが、表舞台からはしばらくひっこむことになりそうだ。社会党にはオブリー党首や、先の大統領選挙で善戦したセゴレーヌ・ロワイヤルなど女性がひっぱっているようだが、保守での先頭をきる女性たるべきMAMが一歩ひいたことになる。

それにしても、李下に冠を正さずというような諺をフランスでは教えないのだろうか。
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