名前についての考察

夫婦別姓についての議論がかまびすしい(でもないか)。おおむね結婚時に姓を変えることになる女性が、生まれた時からの姓を維持したいという要求をしている。

私もその意見に与している。若い時は親と離れたくて、結婚をして、旧姓を捨てることを望んでいたのだが、今では旧姓がなつかしく、結婚時に別姓を主張したりした。事実婚しか方法がなく、それも不都合が多かったので、そこは主張を取り下げたのだ。

名前は一生原則として変わらない。改名も可能ではあるが。それにしても、このごろの新生児につけられた名前の読みがわからないこと、はなはだしい。

結空(ゆら)、彩羽(いろは)、花音(かのん)、絆暖(はのん)、心道(こどう)、咲良(さくら)、凛音(りお)、寧乙(ねおと)、町の広報からピックアップしただけでも読めない名前がたくさんある。というより、ほとんどが読めない。

親は振り仮名をつけなければ読めないような名前をつけて、子供が将来、困ることが多いのに思いをいたさないのだろうか。字画や字の印象で決めているようだが、日本で漢字と読み方の両方を必要とするときに、不便さも個性と考えているのだろうか。

受け付ける戸籍係りもきっと困惑していることだろう。将来年金の書類で困らなければいいけれど。

以前、悪魔という名前をつけようとして、受理を断られたケースがあった。フランスでも子供の利益に反すると戸籍係りが判断する名前は断わられる。物品の名称や野菜の名前はだめだという。また性器にかかわる名称も受け付けてもらえない。

アフリカにいるとき、そこでは尊敬する人の名前をもらってつけることが多いという。隣にあったスペイン大使の公邸で働く女中さんは、生まれた女の子に、大使夫人の呼び名「マダム・カトリーヌ」とつけたそうだ。ただの「カトリーヌ」ではなく「マダム・カトリーヌ」としたのが、我々には理解しがたい。

我が家の庭師は、息子に夫の名前、それも名ではなく、姓をつけたいと言ってきた。夫はお祝いはするが、それだけは勘弁してほしいと、辞退していたが、庭師は納得のいかない表情だった。夫はいつの日か、アフリカに隠し子がいるといううわさでもたったら大変だと思ったらしい。
もう半世紀以上持ち続けた名前、満足しているわけではないが、この名前で死んでいくことになるのだなー。
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